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「#ワークマン女子」改名は迷走か 背景に「フランチャイズならでは」の事情も?小売・流通アナリストに聞く(1/3 ページ)

「#ワークマン女子」の「Workman Colors」への改名。小売・流通アナリストの中井彰人氏は、背景としてワークマンが抱える「フランチャイズ経営」特有の事情を指摘する。一体、どういうことなのか。

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 「#ワークマン女子」店舗を「Workman Colors」に順次改名する――。

 ワークマンが1月23日に発表した決定は、ネット上で大きな反響を呼んだ。#ワークマン女子(以下、女子店)は、2020年に同社が初出店した、作業服や作業用品を扱わない一般客向けのアパレル店舗だ。メンズアイテムも取り扱っているものの、「女子」と冠されていることから、男性客を取り込めていなかったことが課題だった。地方路面店の出店強化を進めるにあたって、「人口が少ない地域ほどより広い客層の取り込みが必要」なことから、今回の改名に踏み切ったという。

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「ワークマン女子」店舗(出所:過去のニュースリリース)

 「『職人向け』をおろそかにしたからなのでは」――そんなネガティブな声もあるが、小売・流通アナリストの中井彰人氏は、「ワークマンは一貫して『フランチャイズ経営がどうあるべきか』を追求しています」と指摘する。一体、どういうことなのか。

ワークマンの「ポジショニング」戦略

 作業服を中心に取り扱ってきたワークマンは、「高機能」かつ「低価格」な衣料品を展開することで、一般向けの衣料品でもシェアを拡大してきた。ジャンルとしては「アスレジャー」、すなわちアスレティック(スポーツ)やアウトドア系のファッションだ。

 「従来は高価格帯のブランドの存在感が大きかったジャンルです。ワークマンはここに作業服で培った機能性を持ってくることで、高機能×低価格市場、いわゆる『にわか向け』のシェアを獲得しました」(中井氏)

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ワークマンの狙う「アスレジャー市場」(会社説明資料より引用)

 一般向けに売り出したアスレジャー系の衣料品が成功したことで、同社が新たに進出したのが「女子店」だ。店名に冠した「女子」は、不慣れだった女性客の取り込みを狙ってのもので、同社によれば実際に「絶大な効果があった」という。もともとはSNSでの反響が期待できる、都市部のショッピングモールなどに直営店を設け、認知拡大を図る戦略を取っていた。

 現在では、78店舗を展開している(作業服を扱わない、商業施設内の「WORKMAN Plus」11店舗を含む)。

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銀座にも進出した「#ワークマン女子」(出所:過去のニュースリリース)

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