じゃがりこ、フタに大量の「ぴえん顔」 “ロングセラーの悩み”脱却狙う:プロダクトInsights
カルビーは3月上旬から、「じゃがりこ」のフタのデザインを期間限定で変更する。フタには、笑顔や涙、サムズアップの絵文字とメッセージを書き込めるスペースをデザインした。
プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
カルビーは3月上旬から、「じゃがりこ」のフタのデザインを期間限定で変更する。フタには、笑顔や涙、サムズアップの絵文字とメッセージを書き込めるスペースをデザインした。
カルビーによると、ちょっとした感謝の気持ちやお祝いの気持ちを伝えるために、手軽に購入できるお菓子をプレゼントする文化が生まれ始めているという。そこで同社は、じゃがりこを人に「あげる」行為を“あげりこ”と命名。じゃがりこをお菓子としてだけではなく、手軽なギフトやメッセージツールとして訴求する取り組みを2022年から開始した。今回のデザイン変更もその一環となる。
絵文字は笑顔やOKサインなど全21種類を用意した。谷澤渓介氏(マーケティング本部 じゃがりこチーム ブランドマネジャー)は「メジャーな絵文字に加え、人によってさまざまな解釈ができる絵文字や若者に人気の絵文字をラインアップした」と説明する。
対象商品は「じゃがりこ サラダ」「じゃがりこ チーズ」「じゃがりこ じゃがバター」「じゃがりこ たらこバター」と、Lサイズの「じゃがりこ サラダ」「じゃがりこ チーズ」「じゃがりこ 明太チーズもんじゃ味」の7種類。変更期間は6月下旬までを予定している。
過去5年間のじゃがりこの売り上げ推移は右肩上がりで伸長しており、500億円に迫る勢いだ。一方で谷澤氏は、今回のフタのデザイン変更は売り上げを伸ばすための施策ではないと話す。
じゃがりこはロングセラー商品である一方で、顧客がブランドとともに年を重ねていく課題もある。「じゃがりこは『コミュニケーションツールとしても活用できる』というイメージを強化することで、これまでの顧客とは異なる新しいターゲットを獲得したい」と説明した。
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