防災の初動対応「カメラ監視」で迅速に ウェザーニューズが貸し出し開始、どんな業界に訴求する?
ウェザーニューズは、企業や自治体向けに、クラウドカメラの貸し出しサービスを開始した。背景には、災害に備えて「敷地内にライブカメラを設置し、気象変化や被害状況を遠隔監視したい」というユーザーのニーズがあったという。
ウェザーニューズは、企業や自治体を対象に、クラウドカメラの貸し出しサービスを開始した。積雪や落雷、風雨などの被害状況を離れた場所からリアルタイムに確認できるようにすることで、災害の初動対応に向けた法人のニーズに応える考えだ。
PC・アプリから閲覧
同社が貸し出すのは、IoTプラットフォームサービスを手掛けるソラコム(東京都港区)のクラウドカメラ「ソラカメ」。利用者はソラカメを通して、任意の拠点の状況を複数人でモニタリングし、状況をいち早く確認することで災害時の初動対応に備えることができる。映像は、過去7日間までさかのぼることも可能だ。
ライブカメラの映像は、同社が提供する法人向け気象情報サービス「ウェザーニュース for business」のPC版ウェブサイトやアプリから閲覧できる。
「コンビニ」「電力会社」から要望、なぜ?
サービス開始の背景には、「敷地内にライブカメラを設置し、気象変化や被害状況を遠隔監視したい」というユーザーのニーズがあったという。
中でも、全国で多くの店舗を展開するコンビニからは、「カメラを各店舗に設置し、災害時の状況把握に役立てたい」という要望があった。また、電力会社からは、「太陽光パネルに設置することで、パネルの損傷や降雪量を把握し、発電量の変動管理に役立てたい」という声が寄せられていたという。
今後は、工場やイベント会場の落雷、店舗周辺のゲリラ雷雨、農作物や車両への雹(ひょう)、路面の凍結やソーラーパネルへの積雪状況の把握など、幅広い場面での利用を想定している。ウェザーニューズは「2025年度末までに、全国で1000台の設置を目指す」とコメントしている。
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