なぜ、現代人は「ちいかわ」に魅了されるのか 関連ショップも大盛況の裏側:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
男性ファンも比較的多く、関連ショップも盛況の「ちいかわ」。Twitter(現X)での展開から現在に至るまで、どのような展開をしてきたのかをまとめる。
他キャラと比較して、男性ファンが多め
ちいかわは、漫画タイトル『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』の略称である。イラストレーター・漫画家のナガノ氏が、2020年からTwitter(現X)で連載を開始。ちいかわたちによる、楽しくて、ちょっぴり切ない物語が人気を呼んだ。2021年2月に講談社から書籍化され、これまで7巻、2024年11月時点で計360万部を突破している。
雑誌連載を経ずSNSから人気化したのが特徴で、ファンの拡散で評判が高まり、大手出版社のコミックになったという非常に珍しい例だ。公式Xのフォロワー数は、2月末時点で約379万人もいる。
フジテレビ系『めざましテレビ』内で、アニメも放送している。毎週火曜と金曜の午前7時40分頃から、1回2分弱の短いアニメだ。「ちいかわ占い」なるコーナーもあり、こうしたテレビによる露出が、ちいかわの人気をさらに大衆的にしたといって良いだろう。
データマーケティングメディア『マナミナ』が2023年11月2日に公開した記事『「ちいかわ」ファンを分析!大人がハマる理由は?企業コラボで推し活促進も』によれば、ちいかわファンは20〜40代の年代構成比が高く、未婚者が多いという。仕事でも私生活でも忙しい日々を送る20代〜40代の未婚者は、ゆるふわで見るからに癒される見た目のキャラクターに癒しを求めているのではないか――と、当該記事では分析している。
また、女性ファンの割合は65.1%で、男性ファンの34.9%よりも圧倒的に多い。これは類似キャラクターも同じ傾向だが、その中でも男性比率が高いのが特徴だ。例えば「おぱんちゅうさぎ」は男性ファンの割合が30.9%、「カナヘイ」は23.8%であった。
これについて、同記事では「『癒しだけではなく切なさや狂気さえ感じさせる感情表現が豊かな性格である』という人間的魅力が、性別を問わず人びとの心をつかんでいる」可能性があるとコメントしている。
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