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「すき家」は、なぜ2カ月も“ネズミ混入”を伏せたのか? 対応の遅れが招いた大炎上:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
すき家の「みそ汁」にネズミが混入していたこと認めたゼンショーHDだが、発覚から発表まで2カ月間もあったことで「陰謀論」が再燃している。危機管理のプロから見ると、これは不思議なことではなく……。
経営陣による「賭け」
ここからは筆者の勝手な想像だが、思い悩んだ経営陣はネットリスク担当者を呼び付けて、こんな質問をしたのではないか。「このGoogleマップの投稿は、どれほどリスクがある?」
担当者は先ほど申し上げたように、インプレッションやリツイートという客観的な「数字」を報告する。つまり、1月21日時点ではネットやSNSで注目されていないので「リスクの低い投稿」だと。
そう言われた経営陣は「危険な賭け」に出たのではないか。それは、この問題をそのまま公表しないでおくということだ。
もし「賭け」に勝てば、そのまま情報の海の中に埋没していく。「すき家」の既存店は3月まで好調をキープして、最高の形で今期を終えられる。もし「賭け」に負けて大炎上、既存店の売り上げが落ちても、それが後ろにいけばいくほど今期決算への影響は小さくなる。
実際、衝撃的な「ネズミ入り味噌汁画像」が投稿された1月の客数は前年同月比102%、2月も同104%とほとんど影響は見られない。2月の売り上げも、同114.8%と好調をキープしている。この成果は「すき家」が混入の事実を速やかに公表しなかったからこそ得られたものともいえる。
今回のネズミ騒動を受けて、株価は下落したわけだが、3月もあと1週間で終わりだ。3月の既存店売り上げのダメージはそこまで大きくない。つまり、2025年3月期下期決算へのダメージは最小限に抑えられた。
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