なぜ「ブタカフェ」が増えているのか? 小さなブタが生み出した意外な収益モデル:週末に「へえ」な話(4/4 ページ)
「ブタカフェ」がじわじわ広がりつつある。店内には20匹ほどが歩き回っているわけだが、なぜ人気を集めているのか。担当者に聞いたところ……。
大きな課題が2つ
店舗数をじわじわ増やして、マイクロブタの販売数も伸ばしてきたわけだが、大きな課題がある。それは、診察してくれる病院が少ないことだ。
犬や猫と比べて、マイクロブタを飼っている人は圧倒的に少ない。そのため、診察できる病院も限られているのだ。家族の一員として迎え入れたいという気持ちはあるものの、近くに病院がない。「ブタさんが病気になったらどうしよう」といった不安から、購入に踏み切れない人も。
こうした問題をどのように解決すればいいのか。北川さんは「カフェを増やし、全国に展開することが解決策のひとつと考えています」という。どういう意味か。
2020年3月、1号店のオープンから1年が過ぎたころ、マイクロブタの販売数は34匹だったが、診察可能な病院は20カ所しかなかった。しかし、現在は販売数が1800匹を超え、それに伴い病院も200カ所に増えている。つまり、マイクロブタの普及とともに、診察環境も整ってきているのだ。
もう1つの課題が「保険」である。
マイクロブタの販売を始めて、まだ10年がたっていないこともあり、保険商品がない。ブタにどのような保険を適用すべきか、保険会社も慎重になっているようだ。
マイクロブタの飼育環境は少しずつ整いつつあるが、まだまだ課題も多い。それでも、かつて20カ所しかなかった病院が10倍に増えたように、販売数の増加とともに環境整備も進んでいる。
このカフェに行けば、”豚(とん)でもなく”人を癒やしてくれる――。こうしたクチコミが広がれば、ブタがもっと身近な存在になる日も、そう遠くないのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「ゲオのスウェット 658円」の衝撃 ペラペラなのに、なぜ「週に1万着」も売れるのか
DVDやCDをレンタルできる「ゲオ」の店内は、どうなっているのか。レンタル事業は縮小しているので、店内はテレビやゲームなどが並んでいるが、そんな中で「スウェット」が人気だという。その理由は……。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのか
地図を扱うゼンリンが都道府県のカタチをしたピンバッジを販売したところ、想定以上に売れている。47種類を販売して、どの都道府県が最も売れたのか。トップは……。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。


