なぜ「ブタカフェ」が増えているのか? 小さなブタが生み出した意外な収益モデル:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
「ブタカフェ」がじわじわ広がりつつある。店内には20匹ほどが歩き回っているわけだが、なぜ人気を集めているのか。担当者に聞いたところ……。
マイクロブタが人気の理由
そもそも、カフェで歩き回っているマイクロブタはどこからやって来るのか。実は、Hooome社の親会社であるSaLaDa社(東京都港区)が運営するファームで育てられている。
ファームでは単に繁殖を行うだけでなく、死亡率の低減や生まれたときの体重管理など、細かいケアを行っている。現在、年間600匹ほどの出産計画を立てており、過剰な生産を防ぐために、カフェの受け入れ状況を見ながら、約半年前から調整を行っているそうだ。
ちなみに、英国から輸入した当初、マイクロブタの体重は20キロほどだったが、現在は15〜18キロほど。小さなブタと小さなブタの選択交配によって、小型化を進めている。
ファームで育てられたマイクロブタは全国のカフェに送られ、希望者には販売も行っている。1匹の価格は20万〜30万円。毎月40〜50匹が新しい飼い主に迎えられ、累計で1800匹以上に上る。
では、どんな人がマイクロブタを購入しているのか。Hooome社の北川史歩さんによると「とても人懐っこいこと、トイレのしつけが不要なほど賢いこと。この2点を挙げる人が多いですが、カフェに来店するまで『ブタは臭い』といったイメージをもたれている人が多いんですよね。でも、実際は臭くない。来店前はマイナスイメージだったのに、来店後はプラスイメージになる。そのギャップが大きいのかもしれません」という。
ブタカフェの役割は、マイクロブタを育て、カフェで触れ合う場を提供し、希望者には販売する。こうしたビジネスモデルかと思いきや……それだけではない。
購入者のアフターサポートとして、SaLaDa社は飼育・健康管理アプリ「mipig owners」を提供している。マイクロブタを購入すると、このサービスには2年間の加入が必須で、費用は月8800円。ブタの体重と体型に応じたフードを発送するほか、アプリを通じて飼育状況を把握できるようにしている。
また、マイクロブタを診察できる病院は少なく、アプリを通じて、診察可能な病院を紹介している。さらに、東京の目黒に専用ホテルがあり、1泊3300円で宿泊サービスを提供している。ちなみに、2024年度の稼働率は63.7%に達した。
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