新卒のひと言から実現した「milky」とのコラボ
ふじや食品と不二家のコラボは、新卒社員の何気ない一言から始まった。
ある日の商品開発会議で、新卒入社2年目になる社員が「『ふじや食品に就職した』と友人に伝えると『あのペコちゃんの会社ね!』と間違われてしまった」というエピソードを話した。それを聞いた先輩社員も心当たりがある人が多く、いわゆる「あるある」の経験だったという。
これがきっかけで、「いっそ『ふじやと不二家』がコラボしたら面白いのでは?」とアイデアが持ち上がり、企画がスタートしたという。
「私自身も若い頃に『不二家さん、名前も似ているし、コラボできたら面白いな』と漠然と考えていましたが、『あんな大きな会社が、うちのような中小企業を相手にしてくれないだろう』と思い、進めませんでした」と中島さん。しかし若手社員の柔軟な発想をきっかけに商社を通じて打診すると、不二家側も前向きな反応を示した。
試作品開発では苦労も多かった。「最初は1層タイプで作っていましたが、ミルキーらしい甘さと一般受けする甘さのバランスが難しかった」と中島さんは振り返る。ミルキーらしい甘さを追求するとごま豆腐として食べるには甘すぎる一方、ごま豆腐らしさを出すとミルキー感が薄れてしまうという課題があった。
そこで考案したのが2層タイプの構造だ。「ミルキーの練乳を使った層とごま豆腐らしいごま豆腐の層を二層にしました。ミルキーの層はしっかりミルキーの味を再現し、両方一緒に食べるとバランスよく最後まで食べられる」(中島さん)
リプトンの「ミルクティー胡麻どうふ」も同時期に開発が進められた。こちらも同様の理由から2層構造が採用された。「紅茶のしっかり茶葉の香りがする層と、甘いミルクの層を二層にすることで、一食食べても甘ったるすぎず食べられる形に改良しました」と中島さんは振り返る。
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