インタビュー
「飲み放題」をやめたのに、なぜキリンシティの売上は伸びたのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
「飲み放題」をやめたところ、売り上げを伸ばした飲食店がある。ビアレストランの「キリンシティ」だ。売り上げだけでなく、客数も単価も伸びたわけだが、その理由は……。
「飲み放題付宴会コース:5000円」――。多くの居酒屋で“定番メニュー”のように提供しているが、「飲み放題をやめた」ところ、売り上げを伸ばしている店がある。ビアレストランの「キリンシティ」だ。
飲み放題を廃止したのは、2021年のこと。その後、2年間で売り上げを27%ほど伸ばしたわけだが、それだけではない。客数は17%ほど、客単価も3%ほど、いずれもコロナ前の水準を上回っているのだ(直営店のみ。コロナ後に大きく反転した2022年の数字を除く)。
「キリンシティの看板は見たことあるけれど、店内に入ったことがないんだよねえ」といった人もいると思うので、簡単に紹介しよう。お店が誕生したのは、1983年である。東京ディズニーランドが開園した年に、1号店が東京・六本木にオープンした。
キリンシティの特徴といえば、ビールの“もこもこ泡”である。ドイツのビヤパブ文化を取り入れていて、伝統的な「3回注ぎ」のスタイルが話題を呼び、人気を集めてきた。店舗数はじわじわ増えていって、2017年のピーク時には44店舗を構えていた。
しかし、である。長年愛されてきたものの、時代の変化とともに、現在は26店舗(うちFCは3店舗)に縮小。「業績が低迷した店舗については、当社の撤退基準にあわせて閉鎖してきた」(同社の担当者)そうだが、そんなキリンシティが大きな決断を下したのである。冒頭で紹介したように、「飲み放題をやめた」のだ。
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