2015年7月27日以前の記事
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福祉相談に生成AI 兵庫・姫路市で実証、どんな効果が?

兵庫県姫路市は、傾聴型AIの開発を手がけるスタートアップZIAI(ジアイ、東京都渋谷区)と共同で生成AIチャットによる福祉相談の実証実験を実施。このほど、ZIAIが2024年10〜12月に実施した実験の結果を発表し、期間中、住民から市への相談件数が従来比で約3倍の計521件に上ったことが分かった。

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 兵庫県姫路市は、傾聴型AIの開発を手がけるスタートアップZIAI(ジアイ、東京都渋谷区)と共同で生成AIチャットによる福祉相談の実証実験を実施。このほど、ZIAIが2024年10〜12月に実施した実験の結果を発表し、期間中、住民から市への相談件数が従来比で約3倍の計521件に上ったことが分かった。


住民の福祉相談に生成AIを活用。写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

 姫路市は、ZIAIのチャットAI「ZIAIモデル」を活用し、市の福祉相談窓口「福祉つながる窓口」の一次受け機能を用意、寄せられた相談に自律的に対応するようにした。

 職員数を増やすことなく2カ月間で521件の相談に対応し、うち161件は、保健所やひきこもり相談支援センターなど市内の関係機関に案内された。対話の総時間は192時間に達し、ユーザー満足度は70%、リピート率は24%に達したという。

AI活用で利用者層に変化

 利用者層の変化も見られた。従来の相談窓口では40代以上が主流だったが、実証実験での利用者の過半数が10〜30代の若年層だった。AIチャットが若年層にとって気軽にアクセスできる相談手段として機能したことが、利用の裾野を広げたと見られる。


実証実験での利用者の過半数が10〜30代の若年層だった(プレスリリースより)

 自治体相談窓口のデジタル化が求められる背景には、自治体相談のニーズの高度化・多様化がある。姫路市が行ったアンケートでは、市民の3割が「悩みはあるが相談できていない」と回答し、匿名性や時間を問わない相談手段の必要性が浮き彫りになっていた。

 ユーザーからは「人ではないからこそ安心して話せた」「不快にさせる心配がない」といった声が寄せられ、AIによる傾聴が心理的ハードルを下げる効果も見られた。

 姫路市の担当者は「これまで接点を持てなかった年代とつながる手段として効果があった」としている。

 自治体の人手不足が深刻化する中、AIと人の役割を分担しながら、住民サービスの質と効率を両立する取り組みとして注目される。

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