インタビュー
「ジャパネットクルーズ」10万人が乗船、好調の背景に思わず「なるほど」と感じる理由(3/5 ページ)
ジャパネットグループの旅行事業「ジャパネットクルーズ」が好調だ。2017年に事業を開始して以来、累計利用者数は10万人を突破し、年間売上高は150億円規模に達した。好調の理由は……。
「高級路線」の販売も好調に推移
国土交通省によると、クルーズを利用する日本人乗客数はコロナ前の10年間で2倍超に成長し、コロナ禍以降も再び乗客数は増加が見込まれている。
商船三井クルーズの「MITSUI OCEAN FUJI」(2024年12月就航)や日本郵船の「飛鳥III」(2025年7月就航予定)といった新造船のほか、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが「ファミリーエンターテイメントクルーズ」(2028年度就航予定)の計画を発表するなど、市場は今後もさらに活性化しそうだ。
ジャパネットクルーズも、新たな戦略として高級路線の展開を強化している。同社の主力商品である「MSCベリッシマ」のツアーは、最安値が約25万円で、最高級の客室が約150万円(いずれも2名1室料金で、2025年出港分の金額)に達するが、意外にも予約は高級客室から埋まる傾向にあるという。
高級路線として、2024年にチャーターしたシルバーシー・クルーズ社の豪華客船「シルバー・ムーン」のツアーでは、最安値を約110万円とした。ところが、この価格設定が裏目に出た。「一気に価格を上げすぎたために、販売が苦戦した」と松川さんは振り返る。
その後、チャーターしたバイキング・クルーズ社の「バイキング・エデン」のツアーでは、反省を生かしてメイン価格帯を85万円程度に設定したところ、ほぼ完売した。価格帯の見極めも、今後の高級路線拡大の鍵となりそうだ。
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