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「ジャパネットクルーズ」10万人が乗船、好調の背景に思わず「なるほど」と感じる理由(4/5 ページ)

ジャパネットグループの旅行事業「ジャパネットクルーズ」が好調だ。2017年に事業を開始して以来、累計利用者数は10万人を突破し、年間売上高は150億円規模に達した。好調の理由は……。

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多様化するリピーター需要を取り込む

 国内ツアーで実績を重ね、現在では海外クルーズにも乗り出している。4カ国8都市を巡る12日間の地中海クルーズツアーは、販売開始直後に完売するなど好調だ。ネット上に情報を出しただけで、告知もほぼしていないが、順調に売れたという。

 背景について松川さんは、「ジャパネットクルーズというブランドがある程度認知され、信頼されてきた」と分析する。サービス品質の向上と顧客満足度の高さが、「ジャパネットのツアーなら安心」という評価につながっているようだ。リピーターの需要を取り込む新たな展開として、追加の日程も計画中だという。

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 一方で、課題もある。まずは「オーバーツーリズム」の問題だ。同社のクルーズツアーの場合、MSCベリッシマであれば約4000人の乗客が一度に降りるため、寄港地に与える影響は小さくない。

 対策として、有料のオプショナルツアーを多数用意し、専門ガイド付きの観光や体験型アクティビティーを提供するなど観光客の分散を図っている。特に、チャーターしている船が外国船で、バスタブのある客室が少ないこともあり、温泉ツアーは人気が高い。

 そのほか、港を出発する時間や運行の間隔なども調整し、できるだけ広域に乗客を分散させることで、地域全体に経済効果が波及するよう工夫している。

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循環バスを手配し、観光客の分散を図る

 もう一つの課題は、リピーター向けの選択肢の拡充だ。同じ商品を売っているのは強みだが、2〜3回目の選択肢が少ないことも意味する。そこで、高級路線のほか、定番のMSCベリッシマのツアーでもルート拡大を進めており、今年の分はすでに完売した。来年はそのツアー本数も増やす方針だ。

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