「100円コーヒー」のヒットに続け セブンが始めた「紅茶マシン」は、ファミマと何が違うのか(3/3 ページ)
セブンが紅茶の本格展開に乗り出す。2027年2月をめどに1万店へマシンを導入する計画を発表した。レジ横のパンやピザとの相性も探る。果たして、コーヒーに続く定番商品となるのか。
タリーズ、スタバも紅茶を強化し始めた
セブンカフェ ティーは女性客や若年層の集客を狙った施策であると考えられる。2020年にLINEリサーチが実施した調査では、男性のうち「紅茶派」が2割にとどまった一方、女性は4割だった。また、男女ともに年齢が若いほど紅茶派が多い傾向にあり、女性の10〜20代では紅茶派がコーヒー派を上回っている。
3月にセブンが実施した商品政策説明会で、羽石奈緒執行役員は明確な男女比率を伏せつつも「都市部のテスト店において、セブンカフェ ティーを利用する女性客は多い」と発言している。
アフタヌーンティーを楽しむ「ヌン活」も若年層の女性を中心に広まり、外で紅茶を飲む習慣が定着しつつある。タリーズコーヒーは2017年に紅茶を拡充した新業態店「&TEA」をオープン。4月8日時点で36店舗を展開する。
米スターバックスも2012年に紅茶会社の「TEAVANA」を買収し、日本では同ブランドの紅茶メニューを2016年から販売している。2020年からはタリーズと同様に紅茶に特化した「STARBUCKS Tea & Cafe」を展開し始めた。
こうした紅茶人気にあやかろうとして、セブンも参入を決めたのだろう。コンビニ他社は女性客を呼び込むべく、これまで無印良品コーナーを設置したり、コスメを強化したりしてきた。一方、そもそもコンビニには限られた面積で売り上げを伸ばす難しさがある。女性客が増えた分、男性客が減ってしまっては意味がない。
その点、今回のセブンカフェ ティーはコーヒーマシンの横に設置でき、面積の占有率も小さい。他商品の売り上げや売場を減らさず、女性客など新たな客層を呼び込める。コンビニ―コーヒーに続く成功事例になる可能性が高く、セブンに続いて他社も導入するか注目が集まる。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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