月次決算レポートは経営状況を迅速に把握し、的確な経営判断を下すために欠かせない資料だ。しかし、作成には経理担当者に大きな負担がかかっている。YKプランニング(山口県防府市)は、経理担当者と経営層の全1006人に、月次決算レポートに関する調査を実施した。
経営層に月次決算レポートを提出するタイミングを尋ねたところ、「1カ月以内」(35.9%)が最多となり、以下「11〜20日以内」(31.3%)、「10日以内」(23.2%)と続いた。半数以上が20日以内には提出していることが分かる。
月次決算レポートの作成で苦労していることは、「売り上げ・経費データの収集と集計」(43.1%)、「月次決算処理の情報収集」(39.7%)、「経営層への報告資料作成」(34.3%)が上位を占めた。
経営層の約8割「提出のスピードに満足」も、本音は?
月次決算レポートを作成する際に意識していることを尋ねたところ、「予算との比較分析が簡単にできるようにする」(41.1%)が最多となった。予算の比較分析や注視すべきポイント、キャッシュフローの状況把握など、経営判断に役立つ視点を盛り込むことを意識している様子がうかがえる。
月次決算レポートを受け取る経営層はどう考えているのか。約8割が「月次決算レポートが提出されるスピードに満足している」と回答。しかし、月次決算レポートを確認したいタイミングは「10日以内」(41.8%)が最多となり、現状のスピードに満足しつつも、「もっと早く知りたい」という本音があるようだ。
月次決算レポートへの改善点は、「予算との比較分析を簡単にできるようにしてほしい」(39.4%)が最多となった。以下「注視すべきポイントを簡潔に伝えてほしい」(35.3%)、「グラフや図表をもっと分かりやすくしてほしい」(32.9%)と続いた。
調査は3月6〜7日、インターネットで実施した。
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