なぜゲオは“売れ残り”に目をつけた? 「ラックラック」の在庫を武器にした稼ぎ方:火曜日に「へえ」な話(1/4 ページ)
ブランド品を定価より安く販売する「オフプライスストア」が日本でも広がりを見せている。中でも注目はゲオグループの「ラックラック」。実験店舗での試みによって……。
「Tシャツ、1万円」――。
こうした値札を見て「ちょっと高いなあ。バーゲンで安くなったら、買おうかな」と思ったことがある人も多いはず。バーゲンだけでなく、アウトレット、ECサイト、フリマアプリなどで購入する人も多いだろうが、オフプライスストアがじわじわ広がっていることをご存じだろうか。
オフプライスストアとは、ブランド品などを定価よりも安く販売する業態のこと。簡単にいえば、「高いモノを安く買える店」のことだ。メーカー側が「このままでは売れ残りそう」「店舗ではもう売れないよ」と判断した商品を、オフプライス業者が一括で買い取って販売している。シーズンオフの商品を安く仕入れられるので、定価の30〜90%オフで扱っているところが多い。
このように説明しても「うーん、分かったような、分からないような。アウトレットとどう違うの?」と感じられたかもしれない。最大の違いは、アウトレットは売る側がメーカー、オフプライスストアは買い取って売る小売業者であることだ。
例えば、アウトレットのアディダス店では、基本アディダスの商品のみを販売しているが、オフプライスストアではアディダスもあれば、ナイキもあれば、プーマもあるといった感じである。
オフプライスストアは米国で広がっていて、「T.J.Maxx(ティー・ジェー・マックス)」「Ross Dress for Less(ロスドレスフォーレス)」などがある。日本でもじわじわ増えていて、ワールドやオンワード樫山などでも展開しているが、個人的に気になっているのは、ゲオグループのゲオクリア社(名古屋市)が運営する「ラックラック(Luck Rack)」だ。
ラックラックが誕生したのは、2019年4月のこと。「オフプライスストアってなに? 聞いたことがないや」といった人が多い中で、同社は「米国で盛り上がっている業態の店が日本に登場した」「ハイブランドの商品が新品でも安く買える」といった文言で、消費者にアピールした。「10万円の財布が3万円」「2万円のパーカーが4000円」といった商品が並び、まずまずのスタートを切った。
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