2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

なぜゲオは“売れ残り”に目をつけた? 「ラックラック」の在庫を武器にした稼ぎ方火曜日に「へえ」な話(2/4 ページ)

ブランド品を定価より安く販売する「オフプライスストア」が日本でも広がりを見せている。中でも注目はゲオグループの「ラックラック」。実験店舗での試みによって……。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

とある店舗で実験してみた

 ここまで読んで、「あれ?」と感じた人もいるかもしれない。最近、ラックラックに足を運んだ人からは「ん? 10万円の財布なんて売ってないよ。どこにあるの?」などと思われたかもしれないが、その通りである。当初はハイブランドやデザイナーズブランドなど高価な商品を扱っていたが、いまは販売していない。なぜか。

 数年前、ゲオクリアは社内で“ある議論”を重ねていた。ラックラックをチェーンストアとして、店舗を増やすにはどうすればいいのか、である。


売り上げを伸ばすために、ラックラックはどのような手を打ったのか

 そのヒントをつかむために、神奈川県の「マルイファミリー溝口店」で2つの実験を行うことにした。1つめは、店内のレイアウトである。ラックラックではアパレル、雑貨、コスメなどを扱っているが、従来はアパレルの棚(什器)が1段しかなかった。天井の高さはまだ余裕があったので、実験店では2段にしてみた。

 棚を1つ増やせば、同じ売り場面積でも、販売数は2倍になる。そうすれば売り上げも2倍……と皮算用してしまうが、話はそれだけではない。店内にたくさんの商品が並んでいれば、お客は「掘り出し物を探すような楽しさを感じられるのではないか」といった狙いもあったのだ。


ラックラックのビジネスモデル

 ちょっと話がそれてしまうが、こうした取り組みを聞いて、ドン・キホーテの店内を思い出した。お客に強い印象を与えるために、ドンキでは「圧縮陳列」と呼ばれる手法を展開している。たくさんの商品を積み上げているわけだが、ラックラックの実験店でもこれに近い形に変更したのだ。

 と同時に、店内のレイアウトをもうひとつ変えた。商品をメンズとレディースでわけていたが、それがどのような商品なのか明示していなかったのだ。お客にとっては分かりにくかったので「Tシャツ」「スカート」「コート」といった具合にわけて、ポップで紹介する。さらにサイズ別でも、わけてみた。そうすることによって、お客は宝探しのような楽しさを、より手軽に味わいやすくなったようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る