2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

なぜゲオは“売れ残り”に目をつけた? 「ラックラック」の在庫を武器にした稼ぎ方火曜日に「へえ」な話(3/4 ページ)

ブランド品を定価より安く販売する「オフプライスストア」が日本でも広がりを見せている。中でも注目はゲオグループの「ラックラック」。実験店舗での試みによって……。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

ハイブランドの販売を止めてみた

 実験の2つめは、ハイブランドとデザイナーズブランドの廃止である。先ほど紹介したように、当初のラックラックではハイブランドやデザイナーズブランドを扱っていた。しかし、ある課題を感じていた。

 「東京の都市部の店では、ハイブランドはそこそこ売れていましたが、郊外の店では苦戦していまして。お客さまが『高い』と感じられたのかもしれません。ボリュームゾーンを2000〜5000円に設定したところ、売り上げは大幅に伸びました」(ラックラックのOPS宣伝販促課・中村雅美さん)

 当初は誰もが知っているようなブランドを扱っていたが、元値が高い。7割引き、8割引きにしても、価格はどうしても高くなる。1万円を超えると、お客は「高い」と感じるようで、そうした商品は苦戦していた。

 というわけで、実験店ではハイブランドの扱いを止めたところ、売り上げがアップ。この成果を受けて、ラックラックでは2023〜24年にかけて「店内のレイアウトを変更+ハイブランドの廃止」を進めていった。


店内をレイアウトを変更して、ハイブランドの扱いを止めた

 で、結果はどうだったのか。2024年度の売り上げは前年比120%を達成。店舗数は4月末現在で29店だが、今年度は20店の出店を計画している。

 こうした話を目にすると、ラックラックの勢いを感じられたかもしれないが、課題もある。「商品を安定して仕入れるために新たなルートを開拓しなければいけない」(中村さん)こともあるそうだが、冒頭でも紹介したように、オフプライスストアの認知度がなかなか上がってこないことを挙げている。

 米国では1000店を超えるチェーンも出ている中で、日本ではまだまだ。「どんな店なの?」「どんなモノを扱っているの?」「中古品なの?」と思っている人が多く、どうやって認知を広げていくべきか。「ラックラックとはどういった店なのか」といった基本的なことを知ってもらうために、さまざまな取り組みを続けるようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る