コラム
なぜゲオは“売れ残り”に目をつけた? 「ラックラック」の在庫を武器にした稼ぎ方:火曜日に「へえ」な話(4/4 ページ)
ブランド品を定価より安く販売する「オフプライスストア」が日本でも広がりを見せている。中でも注目はゲオグループの「ラックラック」。実験店舗での試みによって……。
「売れ残り=悪」なのか
さて、オフプライスストアはまだまだ“ひよっこ”だが、この市場を伸ばすには、どのような施策が必要なのか。アウトレットやフリマアプリはすでに浸透しているので、「お得に買いたい」というニーズはある。オフプライスストアはその中間として「新品を安く買える場」として認知が広がれば、多くの人が一期一会の買い物体験を味わうようになるのではないか。
そこで、ワクワク感の演出がカギになりそうだが、気になるのはラックラックに限らず、他のチェーン店でも店内からなんともいえない違和感が漂っていることだ。筆者も最初に足を踏み入れたときには「ここは中古品を扱っているのかな?」「ちょっと安すぎない? 品質は大丈夫?」と思ったほどである。
では、海外ではどのようにして定着したのか。欧米の成功事例を見ると「売れ残り=悪」ではなく、「循環の一部」として捉えられているようだ。在庫を無駄にするのではなく、社会的意義をうまく前面に打ち出せば、若い世代が「お、それはいい!」と共感を呼び、消費につながる可能性もある。
うまくいけば、ラックラックの棚のように、オフプライス市場の未来も「2段構え」で伸びていくかもしれない。
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