ワーケーションで「チームの関係性」が最大51%向上 イトーキ、パナ子会社が実証実験(2/2 ページ)
ワーケーションで「チームの関係性」が最大51%向上──。そのような結果が、イトーキ(東京都中央区)とパナソニック エナジー(大阪府守口市)が共同で実施したワーケーションに関する実証実験により明らかとなった。
参加者の仕事に対する意識にもポジティブな変化が生まれた。ワーク・エンゲージメント(仕事への没頭・熱量・活力)は実施後に最大で18%向上。仕事における成長意欲も17%、業務への積極性についても14%の改善が見られた。ワーケーションは、心身のリフレッシュだけでなく、仕事への主体的な関わり方を高めることにつながると読み取れる結果になった。
今回の実証では、個人レベルの変化にとどまらず、チーム間の関係性にも明確な効果が確認された。メンバー同士の思いやりや相互理解、協力意識といった「人と人とのつながり」を示す「ソーシャル・キャピタル」の指標は、実施直後から大きく向上し、その後も持続的な効果が見られた。
このソーシャル・キャピタルは、今回調査した全ての項目の中で、最も大きな変化率を示し、実施前に比べて最大で51%の改善という結果に。非日常の環境で、同じ時間を共に過ごすことの価値が、数値でも裏付けられた。
ワークショップでは、普段の業務と比較して、自由で活発な議論が展開された。参加者からは「新しい視点が生まれやすかった」「意見が自然に出てきた」との声が多く寄せられ、発言のしやすさや協力意識の向上も確認された。
一方で、参加者の60%が「議論のまとまりやすさには大きな変化が見られなかった」と回答。ワーケーションでのワークショップは、特にアイデアの発散や多様な視点の獲得に効果的であることが示唆された。
実証実験は2024年11〜12月に実施。瀬戸内国際芸術祭のメイン会場である直島と豊島を中心に実施した。参加数は12人(イトーキ4人、パナソニック エナジー8人)。
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