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物価高で常態化「ステルス値上げ」 各社の悲しすぎる減量を追う(3/5 ページ)

物価高でも値上げに踏み切れず、価格据え置きで内容量を減らす「ステルス値上げ」に踏み切る企業が多い。今回はそうした事例をまとめていく。

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「明治おいしい牛乳」減量の背景

 明治は「明治おいしい牛乳」を2016年に1リットルから900ミリリットルへと減量した。従来品と比べてパッケージが小さくなったことで、筋肉への負担が小さく注ぎやすい点を訴求したが、「苦しい言い訳だ」との印象を抱く消費者もいるだろう。同社は過去10年間で牛乳類の飲用量が約1割減少している点を改定の背景に挙げていた。2020年には中容量品として450ミリリットルの商品を発売したが、キリの悪い数字だ。900ミリリットルの標準に合わせたと思われる。


「明治おいしい牛乳」のパッケージ(出所:同社公式Webサイト)

 飲料の容量改定は相次いでいる。ペットボトルといえばかつて500ミリリットルが標準的だったが、少量用品が続々と登場している。

 「コカ・コーラ」は2021年に700ミリリットル、350ミリリットルの商品を発売。少子高齢化で世帯人口が減少する中、小型サイズを少人数でシェアする機会が増えたとしている。350ミリリットルは実売価格が100円台前半であることが多く、価格訴求力を高める狙いがあったと思われる。インフレが続く中、100円前後で類似品を出すプライベートブランドがメーカーの脅威となっているからだ。

 自動販売機でも、500ミリリットルに満たないペットボトルが目立つようになった。これもステルス値上げの一環と思われる。「午後の紅茶」や「三ツ矢サイダー」などが挙げられる。


「三ツ矢サイダー」の430ミリリットルペットボトル(出所アサヒ飲料公式Webサイト)

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