総菜は誰がつくっているのか? 実はロボットかもしれません:ロボットビジネス(1/2 ページ)
総菜や弁当など「中食」の需要が高まる中、食品製造の現場では人手不足を背景にロボット導入が進んでいる。ポテトサラダの盛り付けや生八つ橋の仕分けなど、これまで自動化が難しかった工程にも……。
この記事は『ロボットビジネス』(安藤健/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
スーパーやコンビニで総菜を買って帰り、晩御飯で食べる方は少なくないでしょう。私たちの食生活のなかに「中食」と呼ばれる、家庭で調理せずに購入する食品の需要が急増しています。実は食品製造業界でもロボットの活用が進んでいることをご存じでしょうか。
例えば、マックスバリュ東海では、総菜製造現場にロボットが導入され、ポテトサラダなどの洋総菜や、ホウレンソウの胡麻和えなどの和総菜などの製造がおこなわれています。それまで1ラインあたり7人がかかわっていた製造工程が2人ほどに省人化されたそうです。
また他の食品工場では、双腕の人型ロボットが弁当製造の工程に導入され、従業員に交じり、ロボットが両方のアームでから揚げをつかみ、弁当の容器の決まったスペースに盛り付けています。
さらに、日本の伝統的な現場でもロボットは使われています。京都のお土産としても親しまれている「生八つ橋」の仕分けにもロボットが活用されているそうです。柔らかい生八つ橋をつぶさずにつかみ、1秒に約1個のペースでトレイに並べる姿は「すごい!」の一言です。
総菜や弁当は、手軽で便利、そして、最近ではおいしい食事の選択肢のひとつとして多くの人に愛されています。しかし、その裏には厳しい現実が隠れています。総菜の製造は生産性が低く、なかなか人も集まらず、離職率も高い職種になっているのです。
個体差が出ないように、重量や見た目を均質にすることが求められ、また、やわらかい食材、かたちが異なる食材を扱わないといけないため、なかなか自動化が難しい領域とされてきました。
ですが、近年のロボット技術の進化によって、「不定形なモノを多品種少量生産する」ということが少しずつできるようになってきており、従来自動化が難しいと言われていた業界に対しても、徐々にロボットが広がりつつあります。
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