2015年7月27日以前の記事
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総菜は誰がつくっているのか? 実はロボットかもしれませんロボットビジネス(2/2 ページ)

総菜や弁当など「中食」の需要が高まる中、食品製造の現場では人手不足を背景にロボット導入が進んでいる。ポテトサラダの盛り付けや生八つ橋の仕分けなど、これまで自動化が難しかった工程にも……。

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ロボットビジネス』(安藤健/クロスメディア・パブリッシング)

 ただし、ロボットのさらなる普及に向けてはまだ課題も存在します。例えば、食品業界では、衛生管理が厳格におこなわれており、ロボットの導入によって新たなリスクが生じる可能性があります。特に、ロボットが食品を直接扱う場合、異物混入のリスクを最小限に抑えるための対策が求められます。

 また、食品製造業界は多くの中小企業によって支えられていますが、そのような会社が、巨額の投資を必要とするロボットを導入することは困難です。そのため、経済産業省や日本惣菜協会などが音頭を取りながら、低コストで自動化を実現するための共通的なロボットの開発も急ピッチで進められています。冒頭紹介したポテトサラダの盛り付けもその成果のひとつです。


(出典:ゲッティイメージズ)

 中食市場の拡大とともに、食品製造業界ではロボットの活用が進んでいます。労働生産性の低さや人手不足という課題を解決するためにも、そして、品質の安定化や衛生面の確保という意味でも、企業は自動化を進め、効率的な生産体制を整えています。

 今後も、ロボット技術の進化により、私たちの食生活はさらに変化していくことでしょう。中食の未来には、より便利でおいしい食品が待っているかもしれません。

著者プロフィール:安藤健(あんどう・たけし)

 ロボット開発者

 早稲田大学理工学部、大阪大学医学部での教員を経て、パナソニック(現・パナソニックホールディングス)入社。ロボットの要素技術開発から事業化までの責任者のほか、グループ全体の戦略構築も行う。大阪工業大学客員教授など複数の大学での教育活動、日本機械学会・日本ロボット学会などの学会活動、経済産業省・業界団体の委員なども積極的に実施。文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、ロボット大賞(経済産業大臣賞)、Forbes JAPAN NEXT 100など国内外での受賞多数。ロボットに関する発信や講演活動も展開中。


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