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少子化なのになぜ? ヒューリックが駅チカ立地に「こどもでぱーと」を開発し始めた理由(3/5 ページ)

ヒューリックが新規事業として、子ども教育に注力を始めている。この4月に中野、たまプラーザで「こどもでぱーと」なる施設をオープンした。一体どんな施設で、どんな狙いがあるのか。

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(3)ターゲットは子どもだけ、ではない

 3月24日の内覧会時点ではまだ工事中でしたが、1階にはプロントコーポレーションが運営する親子カフェ、2階には小児科も開業予定です。9階には「こどもでぱーと Studio」というレンタルフロアもあり、曜日や時間帯に応じて異なるプログラムを提供します。この他、バレエ教室にそろばん教室、料理教室など、30社ほどの子ども教育事業者と連携し、非常に多彩なサービスを提供しているのが特徴です。

 女性専用のマシンピラティススタジオや産前・産後ケアサービスなど、母親を対象としたサービスを導入しているのも特徴といえるでしょう。親子デイキャンプ、子どもの有料送迎サービスなど、各テナント利用者をつなげていくサービスも用意しています。

 こどもでぱーとはこのように、子どもだけでなく、親も対象にしたワンストップサービスを提供しているのです。今までの子ども専門の教育サービス会社の発想を超えた、不動産というアセットを有する会社だからこそ実現できた施設でしょう。


ピラティススタジオ「Pilates Mirror」(筆者撮影)

「スキ」のない教育ビルになっている

 これらは次のようなマトリックスに整理できます。


こどもでぱーとのサービスを整理すると……

 この図はターゲットと展開サービスを整理して「どこを対象に」「どのような範囲で」事業を展開するかを明確化する際に使用します。こどもでぱーとのサービスを整理すると、塾を中心とした中学〜大学までの受験勉強のための教育サービス、幼稚園や小学校の受験用の教育サービス、親子や親を対象とした教育サービス、写真や地域情報、カフェなどの周辺関連サービス、そして医療サービスという事業で構成されています。

 ここまでの範囲で子ども関連サービスを一貫して提供する施設は、従来なかったのではないでしょうか。もちろん世の中には、1棟まるごと学習塾や教育サービス会社しか入居していないビルも珍しくはありません。しかし、企画当初から子どもの教育に関連するテナント構成で、さらに子ども関連のサービスをバランス良く組み合わせているビルは、見たことがありません。子ども教育に関して「スキがない」ビルです。

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