ロボットが柱を立て、壁を塗る 建設の常識が変わり始めている:ロボットビジネス(1/2 ページ)
建設業界にもロボットや3Dプリンターの導入が進み、現場の自動化や省人化が加速している。危険作業の代替から建材の製造、さらには建物そのものの施工まで、技術革新が建設の常識を大きく変えようとしている。
この記事は『ロボットビジネス』(安藤健/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
ロボットの導入が進むのは、建屋の中身の作業だけにとどまりません。その店舗の外身、つまり「建物」自体もロボットが作る、そんな時代も実現しそうです。
3Dプリンターによって、従来の建築では考えられない店舗が生まれるのも時間の問題かもしれません。正確に言えば、すでに生まれ始めています。それでは、建設業界におけるロボット技術の導入について詳しく見ていきましょう。
建設業界は、過去数十年にわたり、他の産業と比較して生産性向上のスピードが遅れていました。特に自動化やデジタル化の導入が進まず、日本では人手不足や高齢化が深刻な問題となっていたのです。
これにより、労働生産性が全産業平均を大きく下回り、長時間労働が常態化。一方、世界では都市化と人口増加に伴い、建設需要が高まっているなかで、労働人口の減少に加えて、生産性の低さが大きな課題となっていました。
とはいえ、建設分野におけるロボット技術の活用は、意外と古くから始まっています。その第一歩は、1991年に雲仙普賢岳が噴火した後の復旧作業でした。遠隔操作のロボットが危険な現場での作業を担当し、その有効性が実証されました。それ以来、危険な作業現場を無人にするという切り口で建設現場でのロボット技術の活用が進んできました。
一方で、最近のロボット技術の進展により、遠隔からの作業ではなく、自動化を進めようという動きもさまざまな切り口で活発に進んできています。
まず、建設の現場でのロボット活用です。建材の搬送はもちろん、鉄筋工事における単純作業である結束作業、溶接、パテ塗り、内装組み立てなどの作業ではすでにロボットが活用されています。
また、最近では、四足歩行をする犬型ロボットやドローンを使って、現場の点検や記録が自動的におこなわれる場合も増えています。足元が悪い現場もなんのその、現場を動き回れるロボットにより現場の状態をそのまま記録できるようになるのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
「なぜ?」で責める上司、「なぜ?」で病む部下 職場に潜む“ナゼナゼ虫”の正体
「なぜ?」を繰り返し、人を追い詰め、メンタルヘルス問題を引き起こす上司が増えている……。

