ニュース
総務は「ラクそう」は大間違い 知ってほしい、不安とジレンマ:「総務」から会社を変える(3/4 ページ)
総務パーソンが抱える“見えない苦労”の数々と、そこから見える総務という職種の「守られなさ」。今回は「総務をどう守るか」という視点で、総務という職種の重要性とその支援の在り方を考えてみたい。
「とりあえず総務」への期待と誤解
総務は“何でも屋”と称されることも多い。問い合わせの窓口、備品管理、イベント対応、労務対応……。日々の業務には多様なスキルが求められる一方で、社内では「楽そう」「暇そう」といったイメージを持たれることもある。これは大きな誤解だ。
ある若手の総務パーソンは、こんな嘆きを口にした。
「本来の業務に集中したいのに、“困ったら総務”と言われて、部署外の業務まで抱えることがある。自分の業務の正当性や専門性を疑問視されるのがつらい」
このような誤解が、総務のモチベーションを下げ、キャリア形成への不安にもつながるのだ。
コロナ禍を経て、テレワークの導入や感染症対策など、新たな業務が総務に押し寄せた。これまで以上に企画力やITスキルが求められるようになったが、それに比例して支援体制が整ったわけではない。ヒアリングを通じて、多くの総務パーソンが「サポートを求める仕組みがない」「相談相手がいない」と語ったのが印象的だった。
これまで「総務に何ができるか」を問う記事は数多く存在した。一方で「総務をどう支えるか」は語られることが少ない。会社が総務の役割を戦略的に位置付け、孤立しないよう支援することは、組織全体の健全性を保つことにもつながる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ、私が総務部に? 「キャリアアップが不安」の声にどう向き合うべきか?
総務部への異動してきた後輩から「総務部でのキャリアップが不安」と言われたら、どのような答えを返すべきか?
「この仕事、意味ありますか?」 後輩総務の質問、100点回答に不可欠な視点とは
総務の後輩から「この仕事、意味ありますか?」と質問されました。どんな返答をすれば納得してもらえるでしょうか?
福利厚生の「スタメン」入れ替え 時代と社員のニーズに合う考え方とは?
福利厚生の「スタメン」が変わり始めている。これまでの福利厚生は「誰のため」のものだったか、そして今の福利厚生に求められる観点は?
脱・お役所管理 総務の「現場を動かす」コミュニケーションには何が足りない?
総務は「お役所的」と言われてしまうこともしばしば……。「現場を動かせない」総務が見落としているコミュニケーションは?
