駅ナンバリングはなぜバラバラなのか 鉄道会社の“独自ルール”が招く誤解:鉄道の「雑学」(5/5 ページ)
駅名や路線名をアルファベットと数字で表す「駅ナンバリング」。もともと分かりやすさを重視して導入されたものの、実際はかなりややこしい。それは、なぜなのか?
規則性がほぼない京王電鉄や東急電鉄など、複雑な駅ナンバリング
京王電鉄は、路線系統ごとに英字2文字を使い分けている。京王線系統は「KO」、井の頭線系統は「IN」だ。京王電鉄の場合、路線系統で大きく運行形態が異なるため、これは妥当だろう。ただ、番号は連続している。
最もややこしいのが、東急電鉄だ。路線名由来のアルファベット2文字を使用しており、東横線は「TY」、田園都市線は「DT」、直通する横浜高速鉄道みなとみらい線は「MM」である。東急は路線名の2文字と数字を駅ナンバリングとして使用しているのが特徴で、東急電鉄であることを示す共通の英字は存在しない。2文字で路線名を示すのが東急電鉄の流儀であるものの、「東急電鉄である」ということを駅ナンバリングから知ることはできない。
このように、首都圏だけ見ても、駅ナンバリングには事業者間で統一された規則がなく、非常に分かりづらい状態だ。全国に目を向けると、それぞれの事業者が独自の規則で駅ナンバリングを行っている。そのため、ある特定の地域で使われている駅ナンバリングが、別の地域のものと完全に同じものとなっている可能性もある。
駅ナンバリングの本来の目的は、アルファベットと数字というシンプルな組み合わせにより、さまざまな人が「どの駅か」を簡単に理解できるようにすることだった。
もちろん、駅ナンバリングのメリットはある。しかし、前述のように、ラインカラーの色枠を組み合わせないと機能しないことや、番号に飛びがあって分かりづらいなど、問題が多いのも確かだ。
しかし、駅ナンバリングはすでに全国に定着しており、今からすべてを統一するのは現実的ではない。各鉄道会社が独自に整備してきた番号体系を前提に、今後どのように利便性を高めていくべきか――。駅ナンバリングのあり方が問われている。
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