駅ナンバリングはなぜバラバラなのか 鉄道会社の“独自ルール”が招く誤解:鉄道の「雑学」(4/5 ページ)
駅名や路線名をアルファベットと数字で表す「駅ナンバリング」。もともと分かりやすさを重視して導入されたものの、実際はかなりややこしい。それは、なぜなのか?
1文字目が鉄道会社を示すもの、2文字で示すもの
1文字目が鉄道会社を示す首都圏主要事業者には、小田急電鉄や西武鉄道、東武鉄道がある。小田急電鉄の1文字目は「O」で、小田急電鉄各線と、箱根登山電車を中心とする小田急箱根各線で使用されている。例えば、小田急江ノ島線は「OE」だ。なお小田急小田原線は、箱根方面に向かうことから「OH」が使用され、番号は小田原線から箱根登山電車、ケーブルカー、ロープウエー、海賊船へと続く。
西武鉄道では、1文字目は「S」で統一され、2文字目は路線系統で決まる。西武池袋線系統や西武新宿線系統、国分寺線系統はそれぞれ分岐や接続駅で数字が続く。例えば、新宿線系統は本川越が「SS29」で、小平で分岐する拝島線は萩山から「SS30」となる。
東武鉄道では、1文字目が「T」である。東武スカイツリーライン系統や伊勢崎線系統などがあり、分岐後の終点で数字が終わるのではなく、別の路線の番号が引き継がれるスタイルになっている。物理的に離れている東上線系統も、同じ規則でアルファベットと数字が付けられている。。
一方で、2文字で鉄道会社を示しているケースもある。相模鉄道や京急電鉄、京成電鉄だ。
相模鉄道は「相鉄」ということで「SO」と数字だ。本線が「01」から「18」、いずみ野線が「31」から「37」、新横浜線が「51」から「52」である。途中の数字は空いている。
京浜急行電鉄は「KK」。泉岳寺は都営浅草線の駅番号を使用しており、品川から付番している。京急蒲田まで本線に番号が付けられ、そこから空港線へと番号が続く。それが終わると、京急蒲田から京急川崎へと数字が続き、次は大師線へと番号が向かう。
再び本線に戻り、逗子線へと番号が進む。そして、再度本線に戻り、浦賀まで進むといった具合だ。久里浜線は浦賀からの番号を引継ぎ、三崎口までとなっており、数字を空けることはしていない。
京成電鉄は、「KS」で示されている。関連する北総鉄道は「HS」、芝山鉄道は「SR」である。なお4月1日をもって京成電鉄に吸収された新京成電鉄は「SL」だ。京成電鉄内は通しの数字が使用されており、北総鉄道や芝山鉄道では独立した数字が振られている。
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