AIは「CFOの役割を変える」? 財務上位職1000人に聞いた
財務ソフトウェア企業の米Kyribaは、「AIの未知の可能性と、セキュリティおよびプライバシーリスクに対する警戒心との間に“信頼のギャップ”が存在する」との調査結果を明らかにした。
財務ソフトウェア企業の米Kyribaは、「AIの未知の可能性と、セキュリティおよびプライバシーリスクに対する警戒心との間に“信頼のギャップ”が存在する」との調査結果を明らかにした。
調査会社の米Gartnerが3月に発表した予測によれば、2025年における生成AIへの世界全体の支出は6440億ドルに達する見込みであり、これは2024年比で76.4%の増加となる。
Kyribaの調査では、ほとんどのCFO(96%)が信頼性への懸念を抱えつつも、AIの統合を優先課題として掲げていることが明らかになった。報告書は次のように述べている。「この変化し続ける環境で成功を収めるためには、リーダーたちはこうした課題に正面から取り組み、強固なセーフガード(安全対策)を実装するとともに、AI主導のソリューションにおいて透明性を確保しなければならない」。
AIの影響をどう見るか?
調査によると、AIは自身の役割を大きく変えると予想するCFOが半数を超えた(53%)。その割合は、労働力の変化(44%)や経営幹部の交代(41%)といった回答を上回っている。
また、回答者の約半数は、市場の変動、関税、政治的不安定性といった外的要因が自社の財務健全性や見通しに与える影響を軽減するために、AIを活用する計画があると答えている。
報告書は次のように述べている。「セキュリティやプライバシーに対する懸念が依然として存在する一方で、CFOは戦略的成長の推進、意思決定の高度化、そして複雑化する規制環境への対応においてAIの価値をますます認識しており、AIは回復力と競争力を維持するうえで不可欠な存在になりつつある」。
調査は、Kyribaが2024年2月18日〜3月3日、米国、英国、フランス、日本のCFO、財務責任者、上級財務意思決定者1000人を対象に実施した。
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