インタビュー
ファミマはなぜパンを「白く」したのか? 累計500万食の「白生」シリーズが挑む主役の座(3/5 ページ)
ファミリーマートの「白生」パンシリーズが累計500万食を突破した。視覚的な新しさと独自の食感で、日常のパン選びに新たな価値を提供し、コンビニパン市場の主役を目指す。
商品名と食感のイメージが一致
商品名に使われる「生」という言葉も、戦略的に重要だったといえる。生チョコや生ドーナツのように、「生」には、特別な口どけやフレッシュさ、さらにはちょっとした高級感を連想させる効果がある。
もともとは生地に生クリームを加えていたことから「生」パンとして発売したが、鈴木氏は「商品名と食感のイメージが一致したことも、人気の要因」と分析している。
この「生」食感を支えるために、同社は「多加水(たかすい)」という製法を採用した。水分をたくさん含ませる方法で、町のパン屋では一般的だが機械製造では難しい。水分が多いと生地がドロドロになり、機械では扱いづらくなるが、同社は発酵や製造工程を工夫することで対応した。
食感にこだわった結果、パン生地自体に高い評価が寄せられている。もともとコンビニパンでは、具材やトッピングが注目されることが多かったが、生パンシリーズの発売以降は、生地そのものの味わいや食感に対する関心が高まっている様子がうかがえる。
また、購入者の反応として特徴的なのが、白生パンシリーズの全品を食べ比べている点だ。通常は特定の商品に人気が集中しがちだが、同シリーズではそれぞれの商品に支持層がいるという。
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