インタビュー
ファミマはなぜパンを「白く」したのか? 累計500万食の「白生」シリーズが挑む主役の座(2/5 ページ)
ファミリーマートの「白生」パンシリーズが累計500万食を突破した。視覚的な新しさと独自の食感で、日常のパン選びに新たな価値を提供し、コンビニパン市場の主役を目指す。
購入者の「体験価値」の向上が狙い
なぜ、あえて「白く」したのか。そこには、視覚的な驚きと新食感によって、日常的なパン購入に新たな体験価値を加えようという狙いがあった。「街のベーカリーでは商品を選ぶ楽しさがある。コンビニでのパン選びにも楽しさを提供したかった」と鈴木氏は説明する。
通常、パンは焼く過程でタンパク質と糖がメイラード反応を起こして焼き色が付き、さらに糖が単体でカラメル化反応して色が付く。焼き色がきれいに付くのがいいパンとされているが、あえて色を付けずに焼き上げる工程で試行錯誤を繰り返し、開発には約6カ月を要した。
「白生パン」を実現した背景には、2つの工夫がある。1つは、低温でじっくり焼く製法を採用したこと。通常より低い温度でやや長めに焼き上げることで、焼き色を抑えつつ、パンの膨らみを確保した。
もう1つは、色が付きづらい糖に一部置き換えたことだ。しかし、この糖はイースト(パン作りに使われる酵母)の栄養源にならないため、発酵に必要な通常の糖とのバランスが重要だった。繊細な配合調整によって、白さと独特の食感を両立させることに成功した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「ゲオのスウェット 658円」の衝撃 ペラペラなのに、なぜ「週に1万着」も売れるのか
DVDやCDをレンタルできる「ゲオ」の店内は、どうなっているのか。レンタル事業は縮小しているので、店内はテレビやゲームなどが並んでいるが、そんな中で「スウェット」が人気だという。その理由は……。
カセットコンロで“くるくる”焙煎? イワタニの新商品にコーヒー好きがざわつく理由
カセットコンロで“くるくる”とコーヒー豆を焙煎できる――。イワタニの新商品が、手軽に本格焙煎を楽しめるとコーヒー通の間で話題になっている。そのユニークな仕組みとは?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。

