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ハーゲンダッツ、“まさか”の伸び悩み? 打開策で注目する「差し入れ文化」(4/5 ページ)

日本でプレミアムアイスとして人気を集めるハーゲンダッツだが、近年は成長が伸び悩んでいる。その背景には何があるのか。そして、同社はどんな手を打とうとしているのか。

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なぜアイス市場は好調なのに、ハーゲンダッツは伸び悩んでいるのか

 ハーゲンダッツ ジャパンが国内売り上げ100億円を突破したのは、日本進出から6年後です。さらに9年後に200億円、12年後に300億円と良いペースで売り上げを伸ばしましたが、その後は徐々に伸びが鈍化しています。2017年に527億円という過去最高売り上げを達成し、さらに伸び続けるかと思われましたが、その後は520億円前後を行き来しています。2024年の売り上げは528億円という結果でした。当期純利益は12%以上と非常に高い利益率なので経営数値的には申し分ないのですが、もっと売り上げが伸びていてもいいのでは、と感じないこともありません。

 というのも、日本のアイスクリーム市場は成長しているからです。2024年の市場規模は前年比で109.9%、アイスクリーム消費支出金額も同106.1%です。食料品における年間支出金額の伸びを上回っています。一方、ハーゲンダッツの2024年売り上げは前年比で102.1%ですから、市場の伸びに比べて物足りないと言わざるを得ません。

 なぜなのでしょうか。筆者が思うに、これはハーゲンダッツが長らく築いてきた「ごほうび消費の代表的商品」というブランド価値だけでは、消費者の心をつかみにくくなってきたのが原因ではないでしょうか。

 コンビニ各社のプライベートブランド商品だけでなく、国内外メーカーから多数のプレミアムアイスクリームが発売されています。海外発の専門店も日本で増えており、自分へのごほうびは今やさまざまな商品アイテムへと拡大。ごほうびとしてのプレミアムアイスの価値が下がってきたことも影響していると筆者は分析しています。


某コンビニのアイスクリーム売り場には、高級な商品が並んでいる(筆者撮影)

明治The Premiun(出所:同社公式Webサイト)

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