「マイクラ映画」大ヒット 大人は知らない爆発的人気の納得理由:エンタメ×ビジネスを科学する(2/4 ページ)
2025年4月公開の映画『マインクラフト/ザ・ムービー』が、世界で記録的な興行成績を収めている。
ファミリー層からの信頼
一つがファミリー層の獲得である。ゲーム原作映画としては、過去に任天堂のスーパーマリオシリーズを原作とした映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』もファミリー層を核として世界的ヒットを収めており、本作もその流れを受け継いだ。
子どもだけでなく親世代も楽しめる作品に仕上がっている点が大きな強みである。1980年代〜2000年代の幼少期にゲームに親しんだ世代が親となりファミリーを形成し始めており、親子で一緒にゲームを楽しむ、ゲーム発祥のコンテンツを楽しむといった生活習慣が形成されていると考えられる。
任天堂も『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』製作時には子供のみならず親世代も楽しめることを重視したとのコメントもある。何より、親世代が「ゲーム由来のコンテンツ」に対する親近感を持っていることが最たる理由だろう。
ゲーム:マインクラフトが日本で浸透した背景
マイクラ自体が老若男女問わず人気のゲームであり、その裾野の広さが映画の観客層の広がりに直結している。ゲームの要素をふんだんに盛り込み、かつ初見でも楽しめる冒険劇まで用意され、コア層とライト層の双方を取り込む内容となっていることが映画がヒットした要因の一つである。ではなぜゲーム:マイクラがここまで日本の、特に子ども世代にまで受け入れられたのか。
普遍の魅力を持つ玩具「ブロック」
子ども向けの玩具といえば「ブロック」である。LEGOが代表例であるが、物理的な玩具としては時代が変遷しても変わらず人気を博し、子どもの創造性を刺激するプロダクトである。
マインクラフトはまさにブロック遊びをデジタル空間で行うゲームである。ご存じのように「ブロック遊び」は単にブロックを組み合わせるだけでなく多種多様な遊びに発展する。オリジナルの構造物や生物を作る、現実世界の構造物や生物を再現する、作り出した世界観の中でごっこ遊びをする、オリジナルストーリーを展開するなど、子どもの想像力・創造力とあわせて無限の広がりを生む。
その普遍的な魅力を持つ「ブロック遊び」を現代の生活環境、子どもの娯楽環境にあわせてデジタル空間で行えるのがマイクラである。
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