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“爆速”開発チームの原動力は「否定しない文化」 エンジニアが生き生きした秘密(2/2 ページ)

サイオステクノロジーの喜多伸夫社長に、AI活用の要点やエンジニアが生き生きと働ける組織づくりの秘密を聞いた。

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できていないところは「周りがカバーし合えばいい」

 喜多社長は、トップとして人材がどうすれば最高のパフォーマンスを出してもらえるのかを常に考えてきた。サイオスには「SIOS Values 2.0」という行動規範がある。それに加え、感謝・称賛・応援というスローガンも掲げている。

 「人にはそれぞれ個性があり、会社は個性の集団なわけですが、その個性は第三者から見て、好ましい点と、そうでない点があります。当社では『良いところだけを見ましょう』ということです」

 人には得手、不得手がある。エンジニアにはとがった人材も少なくない。これを考えると、楽しく働いてもらうことが、会社にとってベストだというのが喜多社長の結論だ。「何をできたかだけ見るのです。できていないことは周りがカバーすればいい。この考え方で、実際にそうなるように努力をしています」

 上司として口を出したくなることもあるはずだ。エンジニアに気持ちよく働いてもらうために言いたいことを「ぐっと抑える」こともあるのか?

 「上司が指摘をした後、エンジニアが『私たちはこうしたいんです』と言えるかが重要です。できることと、できてないことを明確にする必要があります。できてないことをネガティブに評価するのではなく、どう対処し、誰がやるのかを話し合うことの方が肝心です。ですから、私たちが我慢する必要はあまりないですね」

 上司と部下はフラットな関係で、前に進むにはどうしたらいいのかを一緒に考えられる組織なのだ。Gluegent Flowの新機能がスムーズに開発できた理由も納得できる。

「トップの在籍期間が長い=悪」とは限らない

 サイオスで喜多社長は約30年間、トップをしていく中で、試行錯誤を繰り返しながら今のマネジメント方法にたどり着いた。フジメディアホールディングスの日枝久氏は取締役として41年、社長・会長として29年間にわたって経営のトップを担ってきた。風通しの悪い社風が問題を引き起こした1つの事例だ。

 トップに長く在籍していることが、必ずしも悪であることには直結しない。結局は、その人のトップとしての意識の高さと資質の差が、風通しの良い会社とそうでない会社の違いを生み出すことが分かる。喜多社長が築き上げた働きやすい環境のサイオスが、これからどんなSaaSを生み出していくのか注目だ。


左からサイオステクノロジー取締役専務執行役員の山﨑靖之氏、喜多社長、サイオステクノロジーAPIソリューションサービスラインヘッドの二瓶司氏

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