2015年7月27日以前の記事
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米国の8人に1人が、自動化で仕事を奪われる――代替リスクが低い職種は?

SHRM(全米人材マネジメント協会)の報告によると、現在の米国の職業のうち、全体の12.6%を占める約1900万件が近い将来、自動化による代替の「高リスク」または「極めて高リスク」に該当するという。特に代替リスクが高いとされるのは、ブルーカラー(肉体労働系)、サービス業、ホワイトカラーの事務職だ。

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HR Dive

 SHRM(全米人材マネジメント協会)の報告によると、現在の米国の職業のうち、全体の12.6%を占める約1900万件が近い将来、自動化による代替の「高リスク」または「極めて高リスク」に該当するという。特に代替リスクが高いとされるのは、ブルーカラー(肉体労働系)、サービス業、ホワイトカラーの事務職だ。これらの職種は、他の職種と比べて代替される可能性が高い傾向にある。

 SHRMは「大多数の職業は完全に代替されることはないと考えられる」としつつも、「現在すでに多くの職業は何らかの形で自動化されており、たとえ即時的な代替リスクが限定的であっても、生成AIなどの先進的な自動化技術の進展により、今後数年間で雇用の大部分が変容するのはほぼ確実である」と結論づけている。

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提供:ゲッティイメージズ

自動化で職を奪われないためには?

 米労働統計局(BLS)のデータに基づき、800以上の職業を分析したところ、SHRMは米国の総雇用1億5200万件のうち、約39%は「代替リスクが無視できるほど低い」と分類した。これらは、現時点でまったく自動化されていない職種が多い。

 一方で、およそ半数の職種は、今後、自動化の「軽度から中程度のリスク」に直面するとされている。残る約13%については、既に高度または完全に自動化されており、近い将来の代替リスクが高いと見なされている。

 これを受けて、SHRMは、代替リスクが高い職種に属する労働者に対して「リスキリング(再教育)」や「アップスキリング(技能向上)」を推奨している。とりわけ、約320万人が該当すると推定される「極めて高リスク」グループには、それが不可欠だとしており、この中には、医療補助、輸送業務、事務支援などの職種が含まれる。

 「最も代替の影響を受けやすいのは、定型的な作業が中心の労働者である。これらの作業は、先進的なロボティクスやソフトウェアによって代替されやすい」と報告書は指摘する。逆に、創造性や批判的思考、対人スキル、即興性や工夫を要する業務を含む職種ほど、短期的な自動化代替リスクは低い傾向にある。

 また別のSHRMの報告書では、生成AIは、特に金融・保険業、プロフェッショナルサービス業、情報システム業界において「人間にとって大きな代償をもたらす可能性がある」とされている。そのため、リスキリングの重要性がさらに高まるとSHRMは述べ、人事担当者には今のうちから学習および人材開発施策を準備することが求められる。

 一方、テック業界では、General Assemblyの報告によると、半数以上の採用マネジャーが「自社では今後1年以内にレイオフを実施する可能性がある」と回答。AIによって代替可能な業務に就いている労働者が、最初に対象となる傾向があるという。ただし、これらの労働者もまた、リスキリングやアップスキリングによって再配置が可能だとされている。

 実際、Orgvueの調査によれば、AIの導入を理由にレイオフを実施した企業のうち、半数以上のリーダーが「その判断は誤りだった」と認めている。多くの経営者はAI導入の現実的影響に関する認識が不足していたとしつつも、AIに対する期待感は依然として高く、2025年にかけて投資を増やす意向を示している。

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