インタビュー
「貞子が出現する村」はどうなった? 奈良・下北山村、次は”未確認生物”で勝負(4/4 ページ)
ホラー映画の貞子が出現するARアプリで話題を集めた奈良県・下北山村。アプリ終了後も観光施策は継続中で、次なる資源は未確認生物「つちのこ」。地域の持続的な振興を目指す取り組みに注目が集まる。
話題性から持続性へ
2023年には、「日本の滝百選」のひとつである「前鬼・不動七重の滝」へつながる森林浴歩道の整備のため、クラウドファンディングを実施したところ、目標を上回る120万円が集まった。
寄付者の半数はリターンを求めない純粋な寄付であり、村に愛着を持つ人たちの存在が確認できた。もともと、貞子プロジェクト発足時に掲げていた「関係人口の創出」という点においても、成果が出たといえるかもしれない。
「貞子の村巡り」アプリは、累計ダウンロード数が約5200件に上り、村の知名度向上にも確実なインパクトをもたらしたといえる。しかし、その数字以上に価値があったのは、村の「動きのある姿勢」を全国に発信できた点だろう。
社会増減数が2年連続プラスという成果は、貞子アプリだけの効果ではないが、話題性のある取り組みが地域ブランディングの起点となり、移住促進にまで波及する可能性を示した。
10月末で「貞子の村巡り」は終了するが、下北山村の観光・移住促進の取り組みは続く。道の駅建設、つちのこパークなど、一時的な話題で終わらせず、持続的な地域振興につなげられるかが問われる。
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