インタビュー
「貞子が出現する村」はどうなった? 奈良・下北山村、次は”未確認生物”で勝負(3/4 ページ)
ホラー映画の貞子が出現するARアプリで話題を集めた奈良県・下北山村。アプリ終了後も観光施策は継続中で、次なる資源は未確認生物「つちのこ」。地域の持続的な振興を目指す取り組みに注目が集まる。
未確認生物の「つちのこ」を観光資源に
下北山村では、貞子の村巡り以外にもさまざまな観光施策を打ち出している。2026年度には、新たに道の駅が完成予定であり、既存のスポーツ公園、キャンプ場、温泉施設、合宿施設などを統合した総合的な観光拠点として位置付ける計画だ。
また、昭和60年代に下北山村でブームとなった未確認生物「つちのこ」をテーマとした「下北山つちのこパーク」も立ち上がり、自然を活用したアクティビティや、ものづくり体験を提供している。下北山村も立ち上げに関わり、現在は民間と地域おこし協力隊が運営している。
こうした観光施策の成果も見えてきた。2025年5月現在、村の人口は800人を割ったものの、社会増減数(転入者数ー転出者数)は、2023年にプラス14人となった。人口に対する社会増加の比率では、全国の町村で7番目に高い数値を記録した。2024年もプラスとなり、マイナスが続いていた社会増減数が2年連続でプラスに転じた。
背景には各施策に加え、空き家バンクの活用やSNSでの情報発信強化なども挙げられる。移住者からも「いろいろな取り組みをしていて楽しそう」といった声が寄せられており、担当者は「施策を実行したことで、動きのいい村という印象を持ってもらえた」と分析する。
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