2015年7月27日以前の記事
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Microsoft & GoogleのAI新機能を一挙紹介 Gemini統合で「検索王者」の巻き返しなるか?その悩み、生成AIが解決【番外編】(2/2 ページ)

マイクロソフトとGoogleが、それぞれ5月に開催した開発者向けカンファレンスでは、多くの新機能や新しいツールが発表された。一般のビジネスパーソンが日々の業務で恩恵を受けられる機能も多数登場した。これらによって今後の働き方はどう変化するのだろうか? まとめて解説する。

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Googleの巻き返しなるか? 検索と生成AI機能が融合

 Googleも「Google I/O 2025」のなかで数多くの新機能を発表した。なかでも、Google検索でAIを使った回答を利用できる「AIモード」は、日々の検索体験を変えるものとなりそうだ。

 これまでもGoogleの検索結果の上部にはAIオーバービューとよばれる検索結果のAI要約が表示されていたが、あまり役に立たないことが多かった。そのため、調べものをする際にGoogle検索を使わず、ChatGPTの検索やPerplexityなどのAI検索に流れている状況があった。

 Geminiと統合された新しい検索は、こういった従来の検索を補足する機能とは異なる性質のもので、独立したタブの中で利用する形となる。単純な調べものだけでなく、複雑な調査を行えるディープサーチや、チケット購入やレストラン予約などの一連の操作をAIが実施するエージェント機能なども順次提供されていくという。

 Googleが長年積み重ねてきた検索と、生成AI機能が本格的に融合することで、新時代の検索としていよいよGoogleが巻き返しを図ってきそうだ。


Google検索の画面に、Gemini統合の「AIモード」タブが新たに登場する(Google公式YouTubeより)

Google Meetの「音声翻訳機能」に期待大

 日々の業務での期待度が高い機能としては、Google Meetの音声翻訳機能がある。Web会議の音声を、リアルタイムで翻訳できるものだが、注目すべきは、相手の声色や声のトーンをそのまま反映した状態で翻訳されることだ。まずは英語−スペイン語間の通訳が提供され、他の言語にも順次拡大されていくという。

 字幕での翻訳を行えるツールは増えてきたが、字幕を追いながら画面越しにコミュニケーションをとるのは意外と大変だ。音声で翻訳内容を確認でき、さらに、微妙なニュアンスを判断する上で重要になる声のトーンも維持されるのは、「翻訳ツールを介したコミュニケーションのまどろっこしさ」を大きく軽減するものとなりそうだ。


Web会議の音声が、声のトーンなどを維持したままリアルタイムで翻訳される(Google WorkSpace公式YouTubeより)

 Geminiの音声対話機能「Gemini Live」では、Google カレンダーやマップ、Keepなどの各アプリと連携が開始される。Geminiと外出の予定を立てた後に、それをカレンダーに追加したり、Google マップの情報を参照して近隣の店舗の情報を調べたりといったことが可能になるという。

 日常生活では、テキストを入力するより音声で話しかけるほうが楽なことも多い。自分のカレンダーの予定や登録したタスクなどについて音声でやりとりできるようになることで、業務外でもAIを活用するハードルがさらに下がっていきそうだ。


Geminiの音声対話モード「Gemini Live」で、カレンダーなどの情報を参照した会話が可能になる(Google公式リリースより)

 今年後半に一般提供が開始されるGmailの「パーソナライズされたスマートリプライ」では、過去のメールやGoogle ドライブ内の資料を参照して返信文が提案されるようになる。メールの文面も、その人の普段のメールの文体に合わせて自動調整される。

 これまでの返信文提案機能は、メール内に書かれていることだけに基づいて返信文が生成されるため、複雑なやりとりに対応することは困難だった。結局自分で返信を書き直すといったことも多い。そういった従来の返信提案機能の不満を払拭するものとなることに期待したい。

 一連のアップデートは、一般ユーザーが日常で利用する機能や、業務系ツールのAI機能に対して、これまでユーザーが感じていた不満を拾い上げ、解消するものとなっている。従来の機能を試して「やっぱりAIは使えない」と敬遠していた人が、再びAI機能を使う契機ともなり得るだろう。

生成AIを的確に使いこなすには?

 このほかに、Anthropicも開発者向けイベント「Code with Claude」を開催。新モデルとして「Claude Opus 4」「Claude Sonnet 4」をリリースした。このうち、「Claude Sonnet 4」の基本機能は無料プランのユーザーでも利用が可能だ。

 各社が競うようにアップデートを実施し、生成AIの進化は加速している。プラットフォーム間の熾烈な争いはまだ続きそうだ。

 業務でもプライベートでも、日々利用するツールに生成AIが組み込まれることが当たり前になった今、それらをいかに的確に使いこなすかが、パフォーマンスを左右するようになっている。もちろん、必ずしも新機能の全てを使う必要はないが、気になる機能やツールはひとまず触ってみて、自身の業務に必要かどうかを見極めることが重要となる。

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