視聴時間がVポイントに変わる 無料動画配信「V FASTチャンネル」開始
視聴時間に応じてVポイントが貯まる無料動画配信サービス「V FASTチャンネル」の提供が開始。日常の視聴習慣がポイントに変わる新しい顧客体験を提供する。
マーケティング・ソリューション事業やVポイント運用サービスを展開するCCCMKホールディングスと、デジタルコンテンツ開発を手掛けるBBM(東京都渋谷区)は、視聴時間に応じてVポイントが貯まる無料動画配信サービス「V FASTチャンネル」の提供を開始した。日常の視聴習慣がポイントに変わる新しい顧客体験を提供する。
急成長するFAST市場 「ゆる見」は広まるか?
「FAST」は広告付きの無料動画配信サービスのことで、米国を中心に急成長している。北米ではコネクテッドTVが世帯の90%に普及し、その半数が毎日利用している状況だ。2024年にはFASTの視聴時間がテレビ放送を上回り、NetflixやPrime Videoといった有料サービスに肩を並べつつある。
スマートフォンやタブレットなど、インターネットが接続可能なあらゆるデバイスで利用でき、好きなチャンネルを選ぶと番組が自動的に配信される。従来のインターネットを利用して、定額料金で映画やドラマなどの動画コンテンツを視聴できるVODサービスのように、毎回コンテンツを選ぶ必要がない。テレビのような感覚で、好みのジャンルの番組を無料で楽しめるのが特徴だ。
Vポイントカードの会員であるV会員に対し、視聴スタイルを調査すると、88%の人が「ながら視聴」をしていることが分かった。BBMのCEOの福﨑氏は「ザッピング視聴ですらなく、何かをやりながらBGM的に好きな映像がずっと流れている。そんな、ながら見派に目を付けた」と話す。
一方で、CCCMKホールディングス新規事業本部の本部長である山谷径氏は「ながら視聴という言葉はネガティブな印象を受ける人が多いため、ゆる見という言葉を考えた」と説明する。
両社はV FASTチャンネルで、多様化する視聴ニーズに応える新しいスタイルとして「#ゆる見」を提案。今回のサービスは、サブスクでもなく、従来のテレビでもない、新しい視聴環境として、完全無料のポイントも貯まる動画視聴サービスを展開する。
チャンネルの特徴としては、広告は厳格な品質管理のもと、視聴体験を妨げない形で提供する。また、V会員番号でログインすると1時間の視聴につきVポイントを1ポイント付与する。まずはテレビ向けにサービスを開始し、今後はスマートフォンにも対応予定だという。
今回のコラボに関して、「見るだけでポイントが貯まるというサービスを考えていた」と福﨑氏は話す。Vポイントを選んだ理由については「国内でも有数のユーザー数を持ち、提携先が多いこと、そして特定キャリアと連携していない中立性の高さ」を挙げている。
両社は、グローバルで実績のあるFASTプラットフォームの強みを生かし、日本独自の視聴習慣や生活スタイルに合わせたコンテンツの拡充を進めていく。
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