総務よ「DXで職を奪われる」と怯えるな 会社に“必要とされ続ける”ための3カ条:「総務」から会社を変える(1/3 ページ)
このままでは、総務の仕事は、奪われてしまうのか? もしくはなくなってしまうのか? 結論から言おう。必要とされる機能として生まれ変われば、総務の仕事は存続する。では、その必要とされる機能とは何なのか?
従来、総務パーソンが人力で対応していた業務が、デジタルツールに置き換えられつつある。例えば、文房具の購入。昔は、総務が文房具の棚に、一定数の文房具をそろえて置き、それを必要とする従業員が申請書に必要数を記して、総務に提出し、受け取っていた。在庫数が不足したら、その分を総務が文房具屋で購入して棚に補充していた。
あるいは、出張手配。従業員が出張の内容を総務に伝えて、総務が旅行代理店に連絡。後日、旅行代理店に持ってきてもらった切符を総務が受け取り、申請者に手渡ししていた。
少々古い時代の総務を描いてみたが、現在、上記の業務が総務に存在しているだろうか? 文房具は、アスクル、カウネット、たのめーる、その他のECサイトから、従業員が購入できる。総務は一切介在していない。出張手配は、楽天トラベル、じゃらんなどのECサイトから、従業員が購入できる。こちらも、総務は一切介助していない。
このままでは、総務の仕事は、奪われてしまうのか? もしくはなくなってしまうのか? 結論から言おう。必要とされる機能として生まれ変われば、総務の仕事は存続する。では、その必要とされる機能とは何なのか?
総務が存続されるために必要な仕事は3つ
一般的に、日本企業における総務パーソンの人数は、全従業員の1%といわれる。だが、外資系の日本法人だとこの経験則は当てはまらない。究極、社員は総務部長が一人だけで、残りは、常駐型のBPO(Business Process Outsourcing)が総務部長の指示の下、総務業務を滞りなく実行している。
A社というBPOの下に、B社というBPOが配置され、その指示の下、サプライヤー、ベンダーが対応し、全く問題なく業務は進んでいく。日本企業では、ほとんど見受けられない総務の姿ではあるが、可能ではあるのだ。
「総務の仕事は、奪われてしまうのか?」「総務の仕事は、なくなってしまうのか?」という議論は、的を射たものではない。総務の仕事は、誰かがやらなければならない。それがデジタルツールに置き換わるのか、BPOが代替するのかの違いである。
本質的な問いは「社員としての総務パーソンは何をすべきか」ということであり、それが冒頭示した、「必要な機能」である。企業にとって、経営にとって「必要である続ける機能」を総務パーソンが担っている限り、社員が行うべき総務の仕事は、先日亡くなられた長嶋さんではないが、「総務は永遠に不滅」であるのだ。
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