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「チョコモナカジャンボ」はまだ完成していない? 外国人が注目する“日本限定アイス”の裏側(1/5 ページ)

森永製菓の「チョコモナカジャンボ」は、年間約2億個を販売するロングセラー商品だ。独自の「鮮度マーケティング」と、パリパリ食感を守る技術で国内外から支持され、訪日外国人にも人気を集めている。

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 森永製菓の「チョコモナカジャンボ」(参考小売価格184円)は、年間約2億個を販売する人気商品だ。発売から半世紀を超えるロングセラー商品であり、近年は訪日外国人からの人気も高い。海外著名人らによるSNS投稿でも話題になるなど、「日本に来たら食べるべきアイス」としての地位を確立しつつある。なぜ、国内外から圧倒的な支持を得ているのか。

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年間約2億個を販売する「チョコモナカジャンボ」(画像は森永製菓提供、以下同)

 人気の秘密は、2001年から続く「鮮度マーケティング」と呼ぶ独自の取り組みにある。賞味期限がないアイスで「鮮度」にこだわる戦略は異例ともいえるが、取り組み開始後は、20年間で売り上げが約5倍に伸びた。

 通常、アイスは夏の最盛期に在庫を切らさないよう2〜3カ月前から大量に生産し、冷凍保存しておくのが一般的だ。しかし、同商品は「製造から5日以内の工場出荷」を目標に掲げる。

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アイスなのに「鮮度」にこだわるとは、どういうことか?

 「当時から、できたてのほうがおいしいという認識が社内にあった。できたてに近い状態で届けられれば、よりおいしさが伝わるのではないかと考えた」と冷菓マーケティング部の中村望さんは振り返る。

 2000年代初頭にビール業界で話題となった鮮度訴求をヒントに、取り組みを開始した。背景には、バニラアイスに含まれる水分がモナカに移ってしまい、時間とともにチョコモナカジャンボならではのパリパリ食感が損なわれてしまうという課題があった。

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