インタビュー
「チョコモナカジャンボ」はまだ完成していない? 外国人が注目する“日本限定アイス”の裏側(2/5 ページ)
森永製菓の「チョコモナカジャンボ」は、年間約2億個を販売するロングセラー商品だ。独自の「鮮度マーケティング」と、パリパリ食感を守る技術で国内外から支持され、訪日外国人にも人気を集めている。
「受注生産」に近い販売形態で鮮度を維持
鮮度マーケティング戦略を支えるのが、独自の製造と出荷体制だ。夏の需要を見越して事前に大量生産するのではなく、その日に売れる見込み分だけを製造・出荷する、ある意味で受注生産に近い販売形態を採用している。
最盛期の7〜8月には、チョコモナカジャンボを最優先とする製造体制に全社がシフトする。天候や気温で需給が大きく変動する夏場でも柔軟に対応できるよう、同商品のために人的・設備的リソースを優先的に割り当てている。他のアイス製品については、事前に計画的に製造し、冷凍保存している。
「製造から5日以内の出荷目標」を実現するには、精緻な需給予測が必要になる。そこで同社は、2017年から日本気象協会と提携し、気象データとチョコモナカジャンボの過去の出荷データからAIが分析を行い、需要を予測している。全国一律ではなく、9つのエリアごとに気象予測や最高気温を算出している。
例年より気温が1度下がるだけでも売れ行きに影響するため、微細な変化への対応が求められる。
ただし近年は、気候変動の影響で予測は困難になっていることから、過去のデータよりも直近の状況を重視して判断せざるを得ない状況になっている。猛暑日のように気温が極端に高い日には、消費者が外出を控える傾向も強まるほか、アイスの中でも氷菓系商品の需要がより高まるなど、夏のアイスニーズにも変化が見られる。
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