国分太一さん降板で“語らぬ会見” 日テレの判断は「正解」か「裏目」か:スピン経済の歩き方(3/7 ページ)
TOKIOの国分太一さんに関して、日本テレビの福田博之社長が行った緊急の「説明ゼロ会見」が話題になっている。この対応は危機管理的にアリだったのか。それとも……。
説明責任を果たすべきは
これは中居さんの件を見ても明らかだ。自身の「性暴力」を認定したフジテレビの第三者委員会に対して「中立性・公平性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損ない、極めて大きな問題がある」と反論している。
中居さんは警察から不同意性交罪や不同意わいせつの疑いで逮捕されたわけではない。しかし、フジテレビの第三者委員会が行った会見で、同社の元女性社員とのやりとりを全世界に公表され、そこで繰り返し「性加害」という言葉が用いられたことで完全に「罪人」扱いとなってしまった。そこに中居さんは反論しているのだ。
自社の社員でもない第三者がプライベートで「何をしでかしたのか」を勝手に公表し、あれやこれやと断罪してしまうと、後で必ずややこしいトラブルに発展してしまうものなのだ。
「いやいや、日テレの立場からしてみればそうかもしれないけれど、すでに週刊誌などでいろんな憶測や情報が飛び交っているんだから、重大なコンプライアンス違反の中身についてもある程度の説明は必要だろ」という意見もあるだろう。
まったくその通りだが、その役目を果たすのは日テレではなく、国分さんが副社長を務める「TOKIO」社とグループエージェント契約を締結する「STARTO ENTERTAINMENT」社である。
このあたりの役割分担は2025年1月、フリーアナウンサーの生島ヒロシさんがセクハラとパワハラによって無期限で活動を休止したケースが分かりやすい。
このときもTBSラジオが、生島さんに「重大なコンプライアンス違反」が確認されたと公表したが、それ以上のことは語らなかった。そこでマスコミが所属事務所に確認したところ、番組制作スタッフへのセクハラとパワハラだと認める、という流れだ。さらに生島さん本人が、具体的にどんなハラスメントだったのかを説明した。
- フリーアナウンサー・生島ヒロシ パワハラとセクハラを理由に芸能活動無期限自粛(日テレNEWS NNN 2025年1月28日)
放送局としては取引先の問題なので「重大なコンプライアンス違反」としか言及しないが、管理責任のある所属事務所や本人がしっかりと事実関係を説明する。これが芸能人のコンプライアンス違反の基本的な流れだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由
シャープが、テレビ向け大型液晶パネルの生産を2024年9月末で終了すると発表した。同社はまるで「世界の変化に対応できず」衰退していく「日本そのもの」のようだ。なぜかというと……。
日本のアニメは海外で大人気なのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのか
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が米国でもヒットしている。このほかにも日本のアニメ・マンガは海外市場で勝負できているのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのか。その背景に、構造的な問題があって……。
なぜフジテレビは失敗し、アイリスオーヤマは成功したのか 危機対応で見えた「会社の本性」
吉沢さんのCM継続を発表したアイリスオーヤマに、SNSで称賛の声が上がっている。危機管理対応としては契約解除が「正解」とされることが多いが、なぜ同社はこのような“神対応”ができたのか。その理由は……。
女性にドン引きされる「パーカーおじさん会社員」が増えた、ちょっと意外な背景
「職場のパーカーおじさん」はセーフかアウトか――。そんな議論が話題になっているが、なぜパーカーを着ている会社員が増えたのだろうか。その理由は……。
