国分太一さん降板で“語らぬ会見” 日テレの判断は「正解」か「裏目」か:スピン経済の歩き方(4/7 ページ)
TOKIOの国分太一さんに関して、日本テレビの福田博之社長が行った緊急の「説明ゼロ会見」が話題になっている。この対応は危機管理的にアリだったのか。それとも……。
TOKIOと国分さん本人による説明はどうだったか
では、それを踏まえてTOKIO社と、国分さん本人による説明を見てみよう。
この度の件に関しまして、関係各所の皆様、応援し続けてくれているファンの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。
長年の活動において自分自身が置かれている立場への自覚不足、考えの甘さや慢心、行動の至らなさが全ての原因です。
期限を決めずに全ての活動を休止し、自分を見つめ直させていただきます。
改めて、ご迷惑をおかけしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
TOKIO 国分太一
生島さんのように自分が無期限活動休止になった「重大なコンプライアンス違反」がどのようなものなのかを説明する意思はまったく示されていない。「被害者」がまったく存在しないコンプライアンス違反なのかもしれないが、関係各位とファンにしか謝っていない。
しかも、日テレがプライバシー、プライバシーと大騒ぎしたわりには、自身が関わった番組のスタッフなど、関係者への取材を控えてほしいなどのお願いさえない。
極めて事務的かつ形式的な謝罪文である。
筆者は報道対策アドバイザーという職業柄、この手のステートメント(声明)を山ほど作成してきたが、このように言葉数の少ない謝罪文になるのは、往々にして「隠したいことがたくさんあるとき」だ。コンプライアンス違反の中身や数なのか、「被害者」の有無なのか分からないが、この文面からは「もうこれ以上、詮索してくれるな」という強い意志が伝わってくる。
どちらにせよ、ここまで露骨に情報統制をしようとする姿勢が表れる謝罪文も珍しい。つまり「日テレの会見が異常だ」「フジよりも最低だ」と叩かれているが、説明責任を果たしていないのは国分さん側ではないか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由
シャープが、テレビ向け大型液晶パネルの生産を2024年9月末で終了すると発表した。同社はまるで「世界の変化に対応できず」衰退していく「日本そのもの」のようだ。なぜかというと……。
日本のアニメは海外で大人気なのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのか
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が米国でもヒットしている。このほかにも日本のアニメ・マンガは海外市場で勝負できているのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのか。その背景に、構造的な問題があって……。
なぜフジテレビは失敗し、アイリスオーヤマは成功したのか 危機対応で見えた「会社の本性」
吉沢さんのCM継続を発表したアイリスオーヤマに、SNSで称賛の声が上がっている。危機管理対応としては契約解除が「正解」とされることが多いが、なぜ同社はこのような“神対応”ができたのか。その理由は……。
女性にドン引きされる「パーカーおじさん会社員」が増えた、ちょっと意外な背景
「職場のパーカーおじさん」はセーフかアウトか――。そんな議論が話題になっているが、なぜパーカーを着ている会社員が増えたのだろうか。その理由は……。
