インタビュー
「食べログ離れ」は誤りだった 売上は過去最高を更新、利用者数はなぜ増える?(5/6 ページ)
「食べログ離れ」という声がある一方で、ネット予約の拡大や信頼性向上により業績は過去最高を更新している。その理由は……。
インバウンド向けサービスも強化
インバウンド市場でも利用が拡大している。中国市場向けの「WeChat miniプログラム」、それ以外の国々向けには「英語版食べログ」の2本柱で展開し、訪日客によるネット予約は、1日当たり約4000件に達している。
訪日客を受け入れる飲食店への支援も行っている。多言語メニューのQRコードを無償で提供し、店舗側の手間を省いているほか、予約時にクレジットカード登録を求めることで無断キャンセルへの不安も軽減している。
インバウンド予約で人気が高いのは「寿司」と「焼肉」だ。しかし、食べログは、より幅広いカテゴリーへの誘導を目指す。「日本ではフレンチやイタリアンのレベルも高い。海外の人には、まだなじみの薄いカテゴリーも提案していきたい」と鴻池氏は展望を語る。
送客を分散させることはオーバーツーリズム対策にもつながる。現在、食べログにおける訪日客の予約の平均回数は1.2回にとどまる一方で、平均宿泊日数は8〜9泊とされている。滞在中により多くの予約を促すことで、主要観光地以外への分散を狙う。
インバウンド事業は、今後さらに拡大する見込みだ。年内には1日の予約数の倍増を目指すほか、インバウンド専用アプリの開発も進めており、旅行前のインストールから滞在中のプッシュ通知まで、一貫したマーケティングを展開していく予定だ。
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