「食べログ離れ」は誤りだった 売上は過去最高を更新、利用者数はなぜ増える?(6/6 ページ)
「食べログ離れ」という声がある一方で、ネット予約の拡大や信頼性向上により業績は過去最高を更新している。その理由は……。
外食業界全体のインフラとして
食べログは、2025年にサービス開始から20周年を迎える。この節目に始動したのが「ごはんいこー!」プロジェクトだ。食べログの調査によると、日本人の3人に1人が「今度ご飯行こう」と言ったまま実現できていない約束を抱えており、その潜在的な経済効果は累計6000億円に達するという。
この「隠れご飯」を掘り起こすため、新たなサービスを投入した。記念日や会食向けの「食べログ レストランセレクション」は、87万店の中から約8000店を厳選。失敗が許されない特別なハレの日の店選びをサポートする。
4月には、各地域で予約数上位1%の店舗を表彰する「食べログ ホットレストラン」がスタートした。従来の評価軸とは異なり、予約が多い「リアルな人気店」を可視化する取り組みだ。「いま、ユーザーが最も利用している店を評価するという新たな軸が今回の特徴」と鴻池氏は説明する。
また、飲食店の支援サービスにも注力する。飲食専門求人サービスの「食べログ求人」では、国内最大規模となる1万5000店舗が登録しているほか、「食べログ仕入」では飲食店と卸業者の受発注業務のDXを進めている。
「飲食業界の人手不足解消や生産性向上に貢献したい」と鴻池氏が語るとおり、食べログはグルメサイトの枠を超えて、集客だけでなく飲食業界全体のDX支援を強化している。今後は、これらの支援サービスの認知度をいかに高めていくかが課題だ
「食べログ離れ」という声をよそに、検索から予約までを完結するサービスでユーザーからの支持を集め、サポート体制は飲食店からも一定の支持を得ているとみられる。今後、外食業界の中で、どのような役割を担っていくのかが注目される。
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