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不動産営業が「押し売り」にならないようにするポイントとは? カギは「4つのステップ」(2/4 ページ)

都心部で億ションが林立するなど、地殻変動を続けている不動産業界。いま、その営業担当者に求められているポイントとは何か。識者が解説する。

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各社をマッピングすると……

 前述の図に沿って、不動産業界の主要プレーヤーを配置してみます。各ニーズに沿ったさまざまなプレーヤーが既に多く展開していることが分かります。

 それぞれ、代表企業の業績を確認しましょう。2019年から2024年までの推移を見ると(一部企業はデータ不明のため2023年まで)、各社は大きく伸長しています。「家は、性能。」とこだわりを掲げる一条工務店は単体で5000億円規模まで成長し、同じく性能とデザインの融合で支持を得ているアイ工務店の成長も著しいのが見てとれます。大手ハウスメーカーは規模が圧倒的に大きい分、中堅ハウスメーカーや工務店と比較すると成長率は低い位置にあります。


不動産業界、主要企業の業績推移(1)

不動産業界、主要企業の業績推移(2)

 大手と中堅・中小企業では資本力やノウハウ、顧客基盤などがもちろん異なります。だからといって、大手企業が全てにおいて強いかというとそうともいえません。

規模=提案力、ではない

 例えば、次の比較表は、筆者の知人の戸建て購入者(土地含む)が9社に営業を受けた一例です。顧客は1人ですから、年収や希望する家の条件、優先順位、未来への展望など全ての会社に同じ話をしています。しかし各社の対応はかなり異なり、提案価格にも大きな差が生じました。


規模が提案力に直結するわけではない

 あくまでこれは1案件、1営業担当の提案比較ですから会社全体の評価ではありません。ただ、営業担当によっては大手であっても機会損失をしていますし、規格型住宅の営業担当でも、自社の施工力を生かしてかなりカスタマイズの提案をしてくれるようなことも発生しているわけです。

 機能性を重視する企業の商談では、初回で顧客のニーズを掘り下げる前に「私は今日急きょ本件の対応を社内からいわれたので概要を分かっていないのですが、うちは坪単価140万円くらいです。予算の範囲になりますでしょうか」といわれたそうです。

 実際にWebサイトなどに掲載している坪単価はあくまで建築費の目安です。実際には地盤や道路の状況、外壁を要するなどの諸条件によって大きく変動します。売り手は建物だけの費用を坪単価というかもしれませんが、顧客側にとっては総額でかかる費用を坪数で割った額が坪単価なのでその点で既に認識がズレています。よって初回で坪単価がいくら、といえるはずがないのです。

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