ショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営するBytedanceは6月30日、同アプリ内での商品の販売から購入までを可能とするネット通販機能「TikTok Shop」の提供を開始すると発表した。既に東南アジアや欧米で展開しており、日本でも衣服、化粧品、家電などのメーカーが参画する。
動画やLIVE配信においてタグ付けされた商品を、アプリ内で購入できるようにする。LIVE配信ではユーザーの質問に答えながら、商品を紹介できるという。また、各ブランドのプロフィールページでは、商品一覧やレビューの閲覧に加えて、商品を直接購入できるようにする。
今後、数カ月以内に新たに「ショップ」タブを導入する予定だという。出品する企業が商品を一覧で掲載したり、ユーザーが検索機能を使って商品やプロモーションを閲覧したりできるようになる。注文の管理やおすすめ商品の表示なども、同タブで行う。
家電のアンカー・ジャパン、アパレルショップのウィゴー(WEGO)、ユニリーバ・ジャパン、日清食品、丸善ジュンク堂書店、Yogibo(ヨギボー)などが参画する。
Bytedanceが6月4日に発表した調査によると、2024年にTikTokの利用を通じて生じた日本での推定消費額は2375億円(前年比37ポイント成長)に上り、同アプリユーザーで「TikTokのコンテンツを見て商品やサービスの購入経験がある」人は33.9%に達した。若年層ほど購入経験の割合が高くなる傾向があるが、60代でも19.5%が経験があると回答した。
Bytedanceは「ユーザーの関心に基づき、高いエンゲージメントを持つ顧客とつながることを可能にする」とコメント。新たなショッピング体験の創出を推進していくとしている。
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