AI導入で「人員削減したい職種」は? 中小経営者に聞く(2/2 ページ)
人材不足に悩む中小企業経営者の間で、AIへの期待が現実味を帯びてきている。ハッピーカーズ(神奈川県鎌倉市)の調査によると、約7割の中小企業経営者が人材不足を感じていることが明らかになった。
AI導入に関する不安・課題で最も多い回答は「導入コストが高い」となり34.7%に達した。その他「社内に詳しい人材がいない」(32.1%)、「活用方法がわからない」(23.3%)が上位となった。多くの中小企業の経営者にとって、コスト面や人材面の不安や課題がハードルとなっていると明らかになった。
また、「効果が見えにくい」「浸透しない」といった声も見られ、導入後の活用フェーズにも課題があると考えられる。
AIが普及しても人による対応が必要だと感じる業務とは。最も多い回答は「顧客との信頼関係構築」で44.8%。以降は「クレーム対応」(33.6%)、「現場での臨機応変な判断・対応」(31.3%)と続いた。こうした業務では、共感力や柔軟な思考、人間特有の文脈理解が重視されるため、人が担うべき領域として認識されている様子がうかがえる。
AIが普及した場合に、価値が高まると考えるスキルや資質については「コミュニケーション力」が最も多く、39.8%に上った。その他「問題解決能力」(35.2%)、「創造力・企画力」(33.9%)が続いた。
AIや働き方の変化により、個人の意識や行動にも変化が必要だと「強く感じる」とした人は21.3%だった。「ある程度感じる」とした50.5%と合わせて、71.8%が自分自身のスキルや役割についての意識を変える必要があると考えていることが明らかになった。
調査は6月9〜11日にインターネットで実施。IT・ソフトウェア業、建設業(製造含む)、サービス業(接客・宿泊・飲食など)の中小企業の経営者を対象とした。調査人数は1007人。
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