「チラシでは動かない」顧客を動かす ベルクが仕掛けた「エンタメ×店舗DX」(4/5 ページ)
スーパーマーケットのベルクは、エンタメを取り入れたイベントや、テクノロジーを活用した現場改革を通じて、店舗の役割を変化させようとしている。原島一誠社長に、来店価値と現場力を高める”次世代の店舗戦略”について聞いた。
店舗現場の再構築 ロボットとAIで「人手不足」に備える
業務構造の再設計にも取り組むベルクでは、ロボット導入を通じた省人化とデータ活用を進めている。2023年から、小売店舗向けロボット開発を手掛けるMUSE(ミューズ)のストアロボット「Armo One」(アルモワン)の導入検証を始めた。2024年6月には、和光西大和店、北坂戸店に正式導入。2025年2月以降は10店舗に導入を拡大している。
「人口減は避けられない前提で人手に頼らずに行うべき作業が増えていくなかで、ロボットやAIに置き換えられるところは早く進めないといけません。実際、清掃ロボットも最初はぶつかって止まるようなレベルでしたが、10年で大きく進化しました。品出しも一部で自動化を進めていて、もう戦力になるレベルまできています」(原島氏)
Armoは1台で品出しや売り場画像の収集などを担える多機能型ロボットだ。さらに、収集した売り場データは、クラウドサービス「Eureka Platform」に蓄積。小売業者やメーカーがリアルタイムで商品棚の画像や欠品、棚割の乖離(かいり)などの解析結果を確認できる。これにより、店舗運営の効率化や、最適な棚割りの作成を可能とした。導入した店舗では、最大30%の業務削減と5倍のROI(投資対効果)を実現しているという。
異業種との連携がスーパーを変える
ベルクは、多様な分野のパートナーと連携するアライアンス戦略を推し進めることで、業界の常識にとらわれない新たな発想を取り入れている。
「やはりスーパーマーケットは、どうしても昔ながらの業界で、売り上げが悪いと『チラシの部数を増やそう』という発想に偏りがちになります。一方でIT企業と組むと、スマホやSNSを活用したこれまでにないアプローチが出てくる。自前にこだわらず、外部とアライアンスを組んで、それぞれの強みを生かすことが、新しいファンづくりや顧客との接点づくりにつながります」(原島氏)
同社は、ITやエンタメ、ロボティクスなど、異業種の知見や技術を積極的に導入し、これまでにない顧客体験や現場改革を実現している。こうした連携は、単なる業務委託ではなく、自社にない発想や価値を取り入れる“経営戦略の一部”として位置付けているという。変化の激しい市場環境の中で、競争力を高める重要な要素となっているようだ。
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