なぜ日暮里駅は“通過点”の印象が強いのか 1日25万人が利用する駅の静かな現実:鉄道の「雑学」(1/3 ページ)
複数の路線の接続駅であり、乗降人員も多い日暮里駅。しかし、駅ナカは小さく、利用者数の割には発展していない印象が強い。それは、なぜなのか?
日暮里駅は、京浜東北線や山手線などのJR東日本の路線と京成電鉄、さらに日暮里・舎人ライナーが乗り入れており、多くの人が行き交う場所だ。
2023年度のJR東日本・日暮里駅の1日平均乗降人員は10万2143人。京成電鉄の2024年度は10万1435人、日暮里・舎人ライナーの2023年度は5万2085人となっており、多くの人が利用する駅であることが分かる。
しかし、利用客数は多い一方で、日暮里駅に対して「ぱっとしない」と感じている人も多いのではないだろうか。
日暮里駅は常磐線の起点とされており、京成電鉄の有料特急「スカイライナー」が全列車停車し、都心から成田空港に向かう人が多く乗り換える駅である。また、日暮里・舎人ライナーの利用者が都心に向かうため、JRに乗り換える駅でもある。
このように重要な駅であるにもかかわらず、なぜ日暮里駅は地味な印象を持たれ、発展していないのだろうか。本稿では、その理由を探ってみたい。
駅ナカもある日暮里駅だが……
日暮里駅は、山手線や京浜東北線を上野駅から北に進んだ先、鶯谷駅の次に位置する。常磐線では、上野駅の次が日暮里駅だ。
JR東日本の日暮里駅には、駅ナカ施設「エキュート日暮里」がある。しかし、店舗数は28店のみで、イートインは1店舗、カフェも1店舗のみと、決して大規模とはいえない。その他の店舗も、弁当や総菜、お菓子などの販売が中心で、駅構内の一角にある小規模な施設である。
これに対し、日暮里駅よりも都心寄りの上野駅には、大規模な駅ナカ施設が整備されており、利用者数や店舗の充実度の両面で、日暮里駅とは大きな差がある。
しかし、日暮里駅のように多くの路線が交差し、乗り換え客が集中する拠点では、「もっと駅ナカなどの施設が充実していてもおかしくない」と感じる人は多いはずだ。
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